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キューバの“スーパー少年”はなぜ日本に? ママ反対も16歳で来日、ついに日本代表初選出「イシカワさんもランもライバル」男子バレー新戦力 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2024/03/22 17:01

キューバの“スーパー少年”はなぜ日本に? ママ反対も16歳で来日、ついに日本代表初選出「イシカワさんもランもライバル」男子バレー新戦力<Number Web> photograph by Noriko Yonemushi

日本国籍を取得し、代表登録メンバーに選出されたデ・アルマス アライン(23歳)。パリ五輪代表の座を懸けて、熾烈な戦いが始まる

 早期に国籍を取得できたことで、24年度の日本代表の登録に間に合い、パリ五輪出場の可能性が生まれた。

「パリに絶対行きたい」と意気込む。

 以前なら「日本の救世主」ともてはやされたかもしれない。しかし、今の日本代表は世界ランキング4位に躍進し、パリ五輪ではメダルを狙える力がある。選手個々のレベルも高く、特にアウトサイドは激戦だ。

 不動の対角、石川祐希(ミラノ)と高橋藍(モンツァ)はイタリア・セリエAで進化を続けている。昨年のパリ五輪予選のメンバーだった大塚達宣(パナソニックパンサーズ)、富田将馬(東レアローズ)、東京五輪メンバーの高梨健太(ウルフドッグス名古屋)などもVリーグで存在感を見せており、専修大2年の甲斐優斗はこの冬、パリ・バレーでプレーし成長著しい。ポテンシャルの高いアラインであっても、すぐにメンバー入りが約束されるわけではない。

 しかも日本代表のフィリップ・ブラン監督は、サーブレシーブ力を重視する傾向がある。まだまだアピールが必要だ。

2年前に合宿参加「トモトモは面白い」

 アラインは2年前の2022年夏、練習生として日本代表の紅白戦や合宿に参加した。当時、練習のレベルの高さや、選手たちが優しく受け入れてくれたことに感激していた。

「みんないろいろ話しかけてくれた。トモトモはめちゃくちゃ面白いし、(髙橋)ランとか(大塚)タツノリと結構仲良くなった。アドバイスくれたり、タツノリは『よし、オレら同級生やから一緒に行こう』と誘ってくれたり」

 ちなみに“トモトモ”とは、リベロの山本智大(パナソニック)&小川智大(ウルフドッグス名古屋)のことらしい。

 その合宿最終日、みんなは海外遠征に旅立つのに、自分だけ大阪に帰るのが辛かった。日本代表への思いがより強くなった。

「代表行きたいなーと思った。みんな、イタリアとかポーランドとか、いろんな国行ってる。自分の好きなバレーボールで、いろんな国に行けるのはめっちゃいいなーって。いい選手いっぱいいる。それは知ってる。けど無理じゃない。無理って考えたらもう全部できなくなるから。大丈夫、行ける行ける」

 自分に言い聞かせるようにそう言っていた。今はもう少し強気だ。サーブとスパイクは負けないと自負する。

「自分のレベルを出せたらたぶんできると思う。石川さんとかランとかみんな、いい選手って知ってるんですけど、ライバルやから、もう頑張るしかない」

 今後の最大の目標は? と聞くと、悩んだ末にシンプルな答えが返ってきた。

「いろんな大会行って、いっぱい点数取るわ!」

 代表では、未熟な部分を突きつけられ落ち込むこともあるかもしれないが、めげることなく純粋に夢を追い続けるに違いない。タフさと明るさがアラインの武器だ。

 発表された登録メンバー32人全員がA代表に招集されるわけではない。夢への挑戦権をつかむためにも、今週末から始まるVリーグのファイナルステージで勝負強さを証明する。

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