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キューバの“スーパー少年”はなぜ日本に? ママ反対も16歳で来日、ついに日本代表初選出「イシカワさんもランもライバル」男子バレー新戦力 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2024/03/22 17:01

キューバの“スーパー少年”はなぜ日本に? ママ反対も16歳で来日、ついに日本代表初選出「イシカワさんもランもライバル」男子バレー新戦力<Number Web> photograph by Noriko Yonemushi

日本国籍を取得し、代表登録メンバーに選出されたデ・アルマス アライン(23歳)。パリ五輪代表の座を懸けて、熾烈な戦いが始まる

 昨年12月に行われた世界クラブ選手権が大きな自信となった。サントリーは日本のチームとして初めて銅メダルを獲得。アラインは高いスパイク決定率を残し、ベストサーバーにも輝いた。

 山村宏太監督は、「AJ(アラインの愛称)は世界とやる時のほうが数段いい。日本では、別に相手を下に見ているわけじゃないんですけど、『なんでこんなに決めさせてもらえないんだろう』というフラストレーションに引っ張られることが多いんですが、対海外だと、決まったらうれしいし、止められても仕方ないみたいな割り切りができたり、サーブレシーブも我慢できていた。対海外の自信はかなりついたと思います」と語った。

 以前から、「自分のプレーを世界に見せたい」と語っていたアラインは、「自分とサンバーズのレベルを世界に見せられて本当にうれしい。世界のスターとバレーができてよかった」と声を弾ませた。活躍を知った母国の懐かしい友人たちからも連絡が来たという。

 その後のVリーグではプレーに余裕が見える。以前は力任せなところがあったが、コースの打ち分けが巧みになり、フェイントなど選択肢が増えた。昨季はフローターサーブのサーブレシーブには入っていなかったが、今季は狭い範囲ながら任されるようになった。

 対角を組むアウトサイドの藤中謙也は言う。

「昨季は若さ、幼さがありましたけど、今季は本当に頼もしい。確実に勝負強くなった。最後1点取ってくれたり、状況が悪くても打ち切ってくれたり。パスも『ここを取って』と伝えたところは安心して任せられます」

「日本語わかんない」はもう使えない

 日本国籍取得に向けても着実に進んでいた。日本語能力試験の必要なレベルをクリアし、膨大な量の書類を整え昨年6月に申請。10月に面接を受けた。

「(国籍取得の)連絡は遅くても今年の6月までには来るけど、いつになるかはわからない。待つしかない」と語っていたが、今年2月初旬、突然連絡がきた。

「めっちゃうれしかった。早くてビックリした。電話で担当者さんが『今日から日本人になるので、これから書類の説明をします』と話し始めたので、『ちょ、ちょっと待ってください!』と言って(保留にして)、『日本人になったー!』って」

 渾身のガッツポーズで喜びを噛みしめた。

 チームメイトからは、「都合が悪くなったら『オレ日本人じゃねーから』『日本語わかんない』って言ってたの、もう使えないな(笑)」と茶化されたという。

【次ページ】 「パリに絶対行きたい」

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