バレーボールPRESSBACK NUMBER
男子バレー注目の新星がまた出現「ハワイ育ちの23歳」「兄はバスケ日本代表」Vリーグで光る渡邉晃瑠(23歳)の“強烈ブロック”その原点は?
posted2023/12/07 17:02
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
JVL
現在、V.LEAGUEのブロック決定本数ランキングにおいて、リーグ1位の高橋健太郎(東レアローズ/日本代表)に次ぐ高い数字を残し、2位にランクインしているのが日本製鉄堺ブレイザーズの渡邉晃瑠(わたなべ・こーる)だ。
2000年4月生まれの23歳。ハワイ生まれのハワイ育ちではあるが、母親は東京出身の日本人で、晃瑠自身も日本国籍を持つ。ハワイ大学在学中の2019年にアジアU23選手権で日本代表に招集され、同大会で代表デビューを果たした。2歳年上の兄・飛勇(ひゅう)はバスケットボールの選手で、現在はB.LEAGUEの琉球ゴールデンキングスに所属。日本代表としてワールドカップ・アジア予選などに出場した。兄に続き、日本でのシニア代表デビューが嘱望される注目の選手である。
「リーグのブロックランキングの上位にいるのは確かですが、これは自分が『ランキングの上位に入りたい』と願ったわけではなくて、試合において必要なプレーを意識して戦ってきた結果。ランキングで上になることが自分の最終的な目標ではありません」
193cmの身長はミドルブロッカーとしては大きいほうではない。しかし345cmの最高到達点を誇るジャンプ力と素早い動き、加えて粘り強く腕を出すブロックで、相手のスパイクコースを限定できるのが渡邉の強みだ。ランキングにこだわらないのも、決定本数はもとより、チームのトータルディフェンスに貢献することが重要であると理解しているからだ。
高校時代はバスケとバレーの掛け持ち
12歳のとき、母親の勧めでバレーボールを始めた。すでにバスケットボールのクラブに入っていた兄のように、学校の授業が終わったあとに自分も何かスポーツをしたいと考えたのがきっかけだった。当時、友人たちがすでにそのバレーボールクラブに入ってプレーしていたため、晃瑠もすぐに馴染み、プレーを楽しんだ。
その後、高校ではバスケットボールを始め、高校を卒業するまで二つの競技を掛け持ちした。卒業時、バレーボール一本に絞ってハワイ大学へと進学した。