水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
「三笘薫選手のようにブッちぎれないから…」中村敬斗が“シュート職人”になるまで…15歳から知る水沼貴史も思わず「頼もしいです!」
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2024/03/27 17:00
日本代表アタッカーの中村敬斗。アジア杯でもファインゴールを決めるなどシュートに特徴を持つ23歳に水沼貴史が迫る
中村 練習が終わってからもずっとシュートを打っていた思い出があります。
水沼 それは、巣鴨で?
中村 巣鴨でもひたすらシュート打っていました(笑)。(※巣鴨=中村が中高時代を過ごした三菱養和サッカークラブのグラウンド拠点)
三笘選手のようにぶっちぎっていくわけではないからこそ
水沼 ドリブルとシュート、どっちが好き?
中村 あくまでもシュートを打つために、ゴールを決めるためにドリブルがあるという感じです。自分は三笘(薫)選手のようにハーフラインからドリブルでぶっちぎっていくタイプではないですし、あれはやりたくてもできるプレーではありません。
水沼 三笘とは違うタイプというと自覚してるからこそ……敬斗君はどんなイメージを持って臨んでいるのかな。
中村 ペナルティーエリア付近やバイタルエリアでボールを持った時が強みだと思っているので、常にゴールを想定したポジション取りやプレー選択を意識していますね。
水沼 自分の持ち場に特化してるところがいいね。相手からすればそれが一番“怖い”から。
中村 (ドリブルで抜くよりも)その感覚の方が大事ですね。
アジア杯で感じた“割り切る相手”の難しさ
水沼 時間が少し経ちましたが、アジアカップを改めて振り返ってもらえますか?
中村 昨年11月のW杯予選はケガで代表に参加できなかったので、僕にとってアジアカップが日本代表として初めての“公式戦”でした。ベトナム戦でゴールは決めましたが、親善試合とは違って、特にアジアの各国が割り切って戦ってきているとは感じていて。簡単ではないということを初戦から強く実感していました。
水沼 準々決勝のイラン戦は出場機会がなかった。ケガの影響もあったのかもしれないけど、悔しさがあったのでは?
中村 ケガは関係なく、おそらく戦術的な理由だったのかなと思っています。出たかった気持ちもありましたし、とにかく優勝したかったので、何とかして勝ちたかった。負けた時は頭が真っ白でしたね。
水沼 これまでも敬斗君はU-17、U-20と世代別のW杯に出場して、アジアの予選も経験してきました。A代表の公式戦ではどんなことを考えていたんでしょうか。