バスケットボールPRESSBACK NUMBER
「NBA入りのチャンスはある」富永啓生23歳は“米大学バスケの甲子園”でも輝ける? 元NBA監督が賞賛「ケイセイは大舞台を恐れない」
posted2024/03/14 17:04
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
試合を終えて、ネブラスカ大のエース富永啓生がチームメイト、関係者だけでなく、ミシガン大のファンにまで取り囲まれている姿は象徴的に思えた。
少年たちに盛んに声をかけられ、なんとミシガン大のチアリーダーにも写真撮影を求められている。地元絶対の米スポーツではほとんど見られないシーン。ほんの数十分前まで目の前で行われていたゲームでの富永のプレーはそれほど素晴らしく、敵地の人々まで虜にするほどのスター性が感じられたということなのだろう。
「もちろんシーズン最後の試合というのがありますし、すごく大きい試合でした。入りから自分たちのペースで、自分たちの流れでやるっていうことも心に決めていた。オフェンスの部分でチームを引っ張ることができてよかったです」
通算1000得点に到達「今季最高級のプレーだった」
ミシガン州アナーバーにあるクライスラーセンターで3月11日、ミシガン大を相手に行われたシーズン最終戦後、富永は目を輝かせて自身のプレーを振り返った。
大学生活最後のレギュラーシーズン戦となったゲームで、富永はカレッジでのキャリアハイにあと1点と迫る30得点をマーク。3Pを8本中5本成功させ、6リバウンドは自己最多タイだった。ゲーム中にネブラスカ大史上31人目の通算1000得点を達成するおまけまでつけて、ファンにその魅力を存分にアピールしてみせた。
「今季最高級のプレーだった。前半だけで23得点を挙げ、チームにいいスタートを切らせてくれた。啓生が大きく成長してくれたことを誇りに思う」
ネブラスカ大のフレッド・ホイバーグHCもそう目を細めていたが、実際にチームにとって極めて重要な意味を持ったゲームで、これだけのプレーができることがそのスター性の証明といえよう。