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侍ジャパンで先発抜擢“ノーヒット&4奪三振快投”関西大・金丸夢斗21歳とは何者なのか?…「関西リーグで18連勝中」「目標はカブス・今永」
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph bySankei Shimbun
posted2024/03/08 17:01
初招集の侍ジャパンで先発に抜擢され、無安打4奪三振の快投を見せた関大3年の金丸夢斗。関西学生リーグでは通算19勝2敗、防御率1.07と圧倒的な成績
高校3年の年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で甲子園をはじめとした大会は全て中止になった。だが、県の独自大会では8強まで勝ち進み(※県高野連の方針により5回戦で打ち切り)、目標だった140kmを投げられるようになったことで新しい目標も生まれた。
「大学に行って、4年間で力をつけて……プロに行きたいと思うようになりました」
2年秋以降のリーグ戦では「無傷の18連勝中」!
そんな金丸に目を止めていたのが関西大でピッチングコーチを務める山口高志氏だ。
阪急ブレーブスでは8年間で通算50勝を挙げ、75年の日本シリーズではMVPとなった実績を持つ山口氏は、実は同じ神港橘高(※山口氏が在籍時は市立神港高)のOBでもある。
そんな大先輩のもとでプロを志すことを決めた金丸は、1年秋のリーグ戦で本格デビュー。いきなり151kmをマークして周囲を驚かせ、2年生になると先発陣の柱としてマウンドに立った。
2年秋以降のリーグ戦では1敗もしておらず、現在は18連勝中だ。その要因を尋ねると、金丸は「変化球が良くなった分、1年生の時とは違うピッチングができているからなのかなと思います」と丁寧に返す。
大学入学以降、課題としてきたのは変化球だ。昨日の試合ではスプリット、チェンジアップなど三振を奪える切れ味を見せたが「まだまだです」と満足していない。
「今はスプリット頼みになっているところがあるんです。スライダーなど、もっと持っている武器を磨きたいです。大学生のうちは、何かを試すというより持っている武器の質をしっかり高めることが最優先です。目標にしている今永(昇太・カブス)さんのように、ストレートの球威もそうですが、気持ちの面の強さをもっと真似していきたいと思っています。理想は……負けない投手です」
日本の投手陣を支えてきた山本由伸や今永昇太らが今年MLBへと巣立った。だが、次世代の日本を担う投手たちは、もうすでにアマチュア野球界の最高峰にいる。今秋ドラフトを騒がせるであろう金丸の大舞台での快投は、大きな刺激と共に、さらなるワクワク感を与えてくれたような気がした。