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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
大谷翔平に殺到する日本メディア、米国でどう見られてる? 過去には “出入り禁止”も...記者が見た「伊良部フィーバー」「イチローの登場」
posted2024/03/02 11:00
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Joe Camporeale-USA TODAY Sports/JIJI PRESS
野茂英雄から大谷翔平まで、日本人メジャーリーガーに殺到する日本メディアは、アメリカでどう見られていたのか? 長年メジャーを取材する筆者が振り返る。〈全2回の1回目〉
米記者「アメリカで生まれて良かったよ」
アリゾナ州にあるドジャースのスプリングトレーニング施設前には、まだ夜が明けきらない薄暗い時間から、大勢の記者とカメラマンが立っていた。新天地で初日を迎える大谷翔平の入り待ちをする日本の報道陣だ。
「約40人の日本人記者が、朝6時からここにいる。彼らはカーショーとヤマモトが施設に入ったのを見たけれど、それ以外は何も起こっていない。記者の1人は、トイレにも行けないと言っていた」
ロサンゼルス・タイムズ紙のディラン・ヘルナンデス記者はX(旧ツイッター)にそう投稿した。日本人の母を持ち英語、スペイン語、日本語が流暢なトライリンガルである彼は、その後、日本語でこうもつぶやいた。
「日本大好きだけど、アメリカで生まれて良かったよ、マジで…」
大谷が入団したドジャースのキャンプ初日には日本だけでなく全米からメディアが取材に訪れた。球団が発行した取材証だけで70枚とも伝えられており、大谷がキャンプ地で初めて囲み取材を受けたときには、報道陣の数の多さに注目が集まった。
地元紙の表現「サーカス」とは
「ショウヘイ・オオタニ・メディアサーカス」
ドジャースのキャンプが始まった翌日、ロサンゼルス・タイムズの電子版は、そんな見出しで記事を掲載した。「メディアサーカス」とは多くの場合、記者やカメラマンも含めたメディア関係者が大挙して集まり混乱状態に陥るような状況のこと。サーカスのショーのように壮観な光景ということからきていると思われるが、皮肉の意味合いを含む場合もある表現だ。