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大谷翔平の結婚“じつは異例だった”囲み取材の決断…日本人選手のメディア対応、どう変化? 過去に米国で騒動「まとわりつくハエのよう」

posted2024/03/02 11:01

 
大谷翔平の結婚“じつは異例だった”囲み取材の決断…日本人選手のメディア対応、どう変化? 過去に米国で騒動「まとわりつくハエのよう」<Number Web> photograph by Joe Camporeale-USA TODAY Sports/JIJI PRESS

結婚を公表したドジャース・大谷翔平

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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Joe Camporeale-USA TODAY Sports/JIJI PRESS

 野茂英雄から大谷翔平まで、日本人メジャーリーガーに殺到する日本メディアは、アメリカでどう見られていたのか? 長年メジャーを取材する筆者が振り返る。〈全2回の2回目〉

 新庄剛志がジャイアンツにトレードで移籍した2年目のこと。日本メディアを巡るちょっとした騒動が起こった。

地元紙の記事「まとわりつくハエのよう」

 出場機会がどれだけ得られるかわからない立場だったメッツでの1年目とは違い、サンフランシスコでは日本のスター選手が来たと盛り上がり、大きな期待と注目を集めていた。新庄を追ってメッツをカバーしていた日本人メディアもほぼ全員、今度はサンフランシスコに移ったのだが、シーズン開幕時に球団の広報部長が日本人記者全員を高級ステーキハウスに招待してくれたほどの歓迎ぶりだった。

 そんな中で、地元の最大手紙サンフランシスコ・クロニクルが、開幕して間もなく新庄の大きな特集記事を掲載した。そこにはこんな一文があった。

「ツヨシ・シンジョウには、常に周りにまとわりつくハエのように、日本のメディアが集まっている」

 その記事が出た日、筆者も含めた日本人記者たちが球場に到着すると、この一文は一体何だという話題になった。「人種差別だろ」と憤る記者もいたし「そうかな」とその意見に否定的な記者もいた。

 筆者自身は、差別かどうかは別として、見下されているとは感じた。サンフランシスコという街はマイノリティーの人々による「差別反対」の抗議活動において長い歴史を持つため差別に関して敏感な街という印象だが、それと同時に富裕層と貧困層の差が激しい街でもある。富裕層はエリート意識が強く、クロニクル紙の記者もそんなエリート意識を持つ層の1人という印象だった。ある日本人記者が代表してその記事を書いた記者に抗議し、話し合った末に和解したが、嫌な思い出として今も記憶に残っている。

【次ページ】 松井秀喜の時代「なぜ騒動ならず?」

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