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「誰ひとり雰囲気を変えるプレーができなかった」堂安律25歳がドイツで語った“アジアカップ敗戦”「苦しい時に流れを変える選手にならなくては」
posted2024/02/26 17:03
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
W杯はあえて意識しないマインドセット
日本代表の堂安律が以前、「代表への意識が逆に気負いとなってしまっていた」と明かしてくれたことがある。だからクラブにいる時は頭を切り替えて、クラブでのプレーだけに集中している、と。
例えば、カタールワールドカップ開幕直前のウニオン・ベルリン戦後にはこんな風に話していた。
「今日までワールドカップのことは頭の中ではあんまり考えずに臨んできました。そのマインドセットがうまく機能して、良いパフォーマンスをこの試合でもできたと思います」
気負いすぎないように、焦りすぎないように。
アジアカップ後の変化
自分らしさを壊さずに今できることに向き合うことが自身の成長につながり、それが結果として代表入りのチャンスを高めると、取り組んできた。その取り組みがうまくいき、ワールドカップメンバー入りした堂安は、数々の好プレーで日本代表を強豪ドイツ、スペインを抑えてのグループリーグ突破に導く活躍を見せた。W杯後も所属クラブであるフライブルクでレギュラーとしての立ち位置を確固たるものとし、昨季リーグでは5位でフィニッシュ。クラブ史上初となる2年連続ヨーロッパリーグ出場権獲得に大きな貢献を果たした。
そんな堂安の意識がワールドカップ、そしてアジアカップを経て、少しずつ変化してきたようだ。
2月18日に行われたブンデスリーガ第22節フランクフルト戦。相手に3度のリードを許しながらも、フライブルクは粘り強い戦いで引き分けに持ちこんだ。堂安は鋭い出足で1得点をマークしただけではなく、攻守に躍動。クリスティアン・シュトライヒ監督からは試合後の記者会見で「リツは本当に素晴らしいファイトをしていた」と称賛の言葉を送られていた。
本人に変化を聞くと…
クラブと代表を行き来する中で、心境の変化は訪れたのだろうか? 代表でのことを、これまでよりもイメージするようになったのだろうか?