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波紋の佐々木朗希「ロッテは踏み台か」「密約あったのでは?」の誤解リスク…なぜファン冷ややか? 松井秀喜、大谷翔平の“メジャー挑戦時”は…
posted2024/01/26 06:03
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph by
JIJI PRESS
キャンプインを間近に控えながら、契約更改を終えていない“令和の怪物”ことロッテの佐々木朗希。12月10日には〈ロッテ・朗希が今オフのメジャー挑戦要望〉(スポニチアネックス)と報じられた。入団4年、実働3年でのポスティング希望に、首を傾げる向きも多い。はたまた、契約がまとまらない状況から「密約があったのではないか」という『週刊文春』の報道、ファンの声も聞こえてくる。
ポスティング「平均実働年数8.1年」
過去、ポスティングシステムで日本から米球界に移籍した投手は16人いる。彼らの渡米前までの通算成績を振り返ってみよう(契約合意年月、選手名、球団、状況、成績)。
●過去の主なポスティング例(全16人の成績は表に記載)
02年2月 石井一久(ヤクルト) 優勝直後のオフ
実働10年 244試合78勝46敗1セーブ 1184.1回 445自責点 防御率3.38
優勝5回 2ケタ勝利5回
06年12月 松坂大輔(西武) 04年優勝から2年後のオフ
実働8年 204試合108勝60敗1セーブ 1402.2回 459自責点 防御率2.95
優勝2回 2ケタ勝利7回
12年1月 ダルビッシュ有(日本ハム) 09年優勝から2年後のオフ
実働7年 167試合93勝38敗0セーブ 1268.1回 281自責点 防御率1.99
優勝3回 2ケタ勝利6回
14年1月 田中将大(楽天) 優勝直後のオフ
実働7年 175試合99勝35敗3セーブ 1315回 336自責点 防御率2.30
優勝1回 2ケタ勝利6回
17年12月 大谷翔平(日本ハム) 16年優勝から1年後のオフ
実働5年
【投手】85試合42勝15敗0セーブ 543回 152自責点 防御率2.52
【打者】403試合1035打数296安打 48本塁打166打点 打率.286
優勝1回 2ケタ勝利3回
18年1月 牧田和久(西武)
実働7年 276試合53勝49敗25セーブ 921.1回 290自責点 防御率2.83
優勝0回 2ケタ勝利1回 20セーブ以上1回
23年12月 山本由伸(オリックス)優勝直後のオフ
実働7年 172試合70勝29敗1セーブ 897回 181自責点 防御率1.82
優勝3回 2ケタ勝利3回
16人の平均実働年数は8.1年で、12人(75%)は優勝経験後に渡米している。
「踏み台にしただけ」と思われるリスク
無論、前例に従う義務はない。メジャー挑戦が早ければ早いほど、活躍の可能性は広がるという見方もできる。ただ、ファン心理は複雑だろう。