育成枠2巡目指名に「よかった、これで就職できる」

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そんな高校生活を送っていた小林のもとに朗報が訪れる。2009年のドラフトで、横浜ベイスターズから育成枠2巡目で指名を受けたのだ。
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小林　もちろん嬉しかったですが、「やった！ プロ野球選手になれた！」という感激はなかったですね。一般企業の内定をもらうのと同じで、「よかった、これで就職できる」と安心した感じで（笑）。

――なぜそんなに冷静だったんですか。

小林　小・中学校の頃から有望だった選手とは違うし、プロの世界でやっていける人間ではない、というのは自分の中でも感じていたことだったので。でも、プロ野球を経験できて良かったなと思うことはたくさんありますよ。

2010年入団の横浜ベイスターズ同期選手たち。左から2人目が小林、中央は筒香嘉智　©JIJI PRESS

「キャンプ初日に、もう無理だと思いましたね（笑）」

――ベイスターズの入団同期には筒香嘉智選手などがいました。実際にプロに入ってみて、どう感じましたか？

小林　キャンプ初日に、もう無理だと思いましたね（笑）。寺原隼人さんのストレートをブルペンで見た時に、弾丸が飛んでくるようだと感じた、あの衝撃は忘れられません。でも、その寺原さんでも試合で打たれるんですよ。投球も打撃も、レベルが違った。あと、筒香がバットを折りながらバックスクリーンにホームランを放り込んだのも衝撃でしたし、努力で埋まらない差があるということも痛感しましたね。

――プロの洗礼を浴びたわけですね。

小林　印象に残っているのは、ピッチングコーチの岡本（克道）さんによく言われたことがあって。「いい球いった時がいいフォームや」という言葉です。厳しいんですけど、できないことを怒られることはなかった。打たれた時は、なぜ打たれたのかを考えて、この練習が足りなかったかなと分析する。根性論ではない方法で教えてくれました。これはラーメンの世界にも通じるなと感じていて。できないことを怒るのではなく、日々の訓練や努力を怠ることを怒ろうと。店舗でも、従業員にそこは徹底するようになりましたね。

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