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《京大合格約30人》京都の公立進学校が高校駅伝で大躍進のナゼ「授業は7限、スポ薦ナシ、中学の実績ゼロ」でも“選手が伸びるスカウト”とは? 

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山崎ダイ

山崎ダイDai Yamazaki

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photograph byYuki Suenaga

posted2024/01/21 11:00

《京大合格約30人》京都の公立進学校が高校駅伝で大躍進のナゼ「授業は7限、スポ薦ナシ、中学の実績ゼロ」でも“選手が伸びるスカウト”とは?<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

昨秋の駅伝シーズン、京都府大会で準優勝、近畿大会でも3位に食い込んだ洛北高校。公立校だが毎年京大合格者を30人近く輩出する進学校だ

「全員普通に入試をパスしないといけないわけですから、そもそもハードルが高いんです。基本的に進学校ということもあり、中学時代の成績が良くて、勉強が得意でないとなかなか難しい。スポーツの実績だけで下駄を履かせることはできません」

 顧問の先生に声をかけたはいいものの、「この子は成績的にちょっと難しいと思います」と言われることも少なくないという。

授業は7限制で4時半まで→7時には完全撤収

 さらに、日々の活動にも進学校らしい苦労が滲む。

 授業は1コマ50分の7限制。4時半に授業が終わり、4時45分から部活動がはじまるが、7時には完全撤収となる。もちろん強豪校のような寮生活ではないため、その約2時間ですべて完結させなければならない。

「府の全域から通ってきているので、遠い子だと2時間近くかけて通学しています。そうなると7時には学校を出ないと帰るのが遅くなってしまう。近くてもそこから塾に行くような子もいますしね。朝練も7時20分スタートでやっているんですが、一番早い子は5時22分の電車に乗って来ています」

 こういった様々なハードルもあり、結果的に中学時代に全国的に活躍した実績のある選手はほとんど入学してこないそうだ。

「それこそ強豪校から声がかかるような選手はひとりもいないと思います(笑)。今季チームのエースだった3年生の三宅(勇希、4月から順大)も中学時代に私が声をかけた時は3000mで9分35秒とかの選手でしたし、府大会にも出られなかったという子も多いです」

 現在、陸上部の中長距離部員は、すでに引退した生徒を除くと全部で24人。

 その中で中学生ランナーの一線級とされる3000m8分台の記録を持っていた選手は2人しかいない。レギュラークラスの中には10分近いような持ちタイムだった選手もいるという。では、決して簡単ではないリクルート状況の中で難波はどんな選手に声をかけてきたのだろうか。

 まずは学力的に洛北高が受験可能なラインであることが大前提になる。

【次ページ】 制限された環境で必要な「ブレない意欲」

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