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青学大、中大、國學院大…箱根駅伝の強豪校でなぜ「体調不良」が続出? 箱根の元ランナーが考えた理由「過酷な部内の競争」「メディア対応で…」
posted2024/01/15 06:00
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph by
Nanae Suzuki
今年の箱根駅伝は上位候補だった青学大、國學院大、中大に“体調不良者”が続出。華やかな大会の裏で、各校の指揮官たちは悩み苦しんでいた。
総合優勝に輝いた青学大は11月下旬から12月初旬にインフルエンザの集団感染があった。主力選手もダウンして、2区で区間賞を獲得した黒田朝日(2年)は12月中旬まで調子が上がらなかったという。原晋監督も「12月前半から中盤にかけて、箱根で優勝なんかできない。それほど悪いチーム状況でした」と振り返る。
國學院大も、中大も…
全日本大学駅伝3位の國學院大(2024年箱根駅伝は5位)もインフルエンザにチーム力を削られた。前田康弘監督は「12月10日に集団感染しました。伊地知賢造(4年)、平林清澄(3年)、青木瑠郁(2年)らがジョグを始めたのは12月15日です。監督として14年目の箱根でしたけど、一番のピンチでしたね。正直、シード落ちを考えましたし、チームもすごく弱気になっていたんです」とメンタル面でも大きな影響があったことを明かした。
そして前回2位の中大(今大会は13位)は12月23日以降に発熱する選手が続出。エントリー選手では、湯浅仁(4年)と吉居駿恭(2年)以外の14人が体調不良になった。なかでも8区阿部陽樹(3年)は元日に発熱。チームは「棄権」も考えるほど深刻な状況だった。
インフルエンザがあと1週間遅かったら…
「阿部には無理をしないで自分のペースでいきなさい、と伝えていました。走れる選手が10人ギリギリだったので、やりようがありませんでしたね。本当に可哀想な思いをさせてしまった。管理側の私のミスかなと思っています」(藤原正和駅伝監督)
中大は過去2年、箱根駅伝に抜群のピーキングを見せていただけに、今回の結末はショックだっただろう。