箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
今年の箱根駅伝、“最強”は誰? 2024年版「箱根ランナー番付」を考えてみた 「三浦龍司は大関」「横綱は吉居大和と…」<注目区間紹介も>
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph byAsami Enomoto
posted2024/01/01 17:00
今年の箱根駅伝「最強ランナー」は誰なのか。吉居大和(写真中央)ら、実績十分の注目すべきランナーを紹介する
どこに出てくるか? 國學院大と東洋大の4年エース
小結は1年時から学生駅伝にフル参戦している伊地知賢造(國學院大4)とハーフマラソンで日本人学生歴代4位タイの1時間00分43秒を持つ松山和希(東洋大4)だ。伊地知は全日本8区で区間賞経験があり、箱根は8、2、5区と異なる区間に出走してきた。今季は日本インカレ10000mで日本人トップに輝いている。松山は箱根2区の活躍が目立つ。1年時に1時間07分15秒の区間4位、2年時に1時間07分02秒の区間5位。昨季は故障もあり、学生駅伝には参戦できなかった。ふたりとも最後の箱根は補欠登録。何区に登場するのか。
1年で区間賞、ケガに苦しんだ東海大4年生エース
関脇はハーフマラソンで日本人学生最高記録の1時間00分11秒を持つ篠原倖太朗(駒大3)と1年時から大活躍してきた石原翔太郎(東海大4)だ。篠原は前回3区で区間2位。今季は出雲1区を独走すると、全日本3区は日本人トップの快走を見せた。八王子ロングディスタンス10000mで日本人学生歴代5位の27分38秒66をマーク。箱根は1区もしくは4区での出走になりそうだ。石原は2年時に続き、今季も故障に苦しんでいるが、過去のキャリアが輝いている。1年時は全日本4区で区間賞・区間新、箱根3区で区間賞。3年時は全日本3区で区間賞を獲得すると、箱根2区(1時間07分09秒の区間4位)で9人抜きを演じている。今回は7区登録だが、どんな走りをみせるのか。
山の妖精とオリンピアン
大関は山本唯翔(城西大4)、三浦龍司(順大4)、平林清澄(國學院大3)、太田蒼生(青学大3)の4人だ。山本は1年時に5区で区間6位、前回は5区で区間賞。1時間10分04秒の区間記録を樹立した。今季は夏のワールドユニバーシティゲームズ10000mで銅メダルを獲得すると、出雲と全日本は最終区間を好走。「山の妖精」と呼ばれた前回からさらに力をつけた印象だ。今回も5区に登録されており、順大・今井正人(現・トヨタ自動車九州)が現在とほぼ同じ距離でマークした1時間09分12秒の“コースレコード”を塗り替えるつもりでいる。三浦は箱根でインパクトを残せていないが、2年時には2区を1時間07分44秒(11位)で走破している。何より3000m障害で東京五輪7位、ブダペスト世界選手権6位という結果が燦然と輝いている。今回は3年ぶりとなる1区に登録された。持ち味のスピードを存分に発揮するだろう。
箱根駅伝にめっぽう強い青学大の3年生
平林は1年時に9区を区間2位で5人抜き、前回は2区を区間7位(1時間07分32秒)で6人抜きを見せている。箱根後は仙骨を2度も疲労骨折したが、夏には10000mで27分台に突入。全日本はエースが集結した7区で区間賞を獲得した。箱根は2区に登録され、本人は「1時間6分台」を視野に入れている。太田は箱根駅伝に滅法強い選手だ。前々回は3区を区間歴代3位の1時間01分00秒で駆け抜けると、前回は4区を同3位の1時間00分35秒で走破。今回は補欠登録だが、3区での登場になりそうだ。