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プロ野球PRESSBACK NUMBER
33歳で戦力外通告…お先真っ暗だった“巨人右腕”はなぜ「年商160億円の社長」に転身できたのか? 第二の人生で「勝ち組」になった話
text by
松永多佳倫Takarin Matsunaga
photograph bySankei Shimbun
posted2023/12/30 11:02
“昭和最後のドラフト”で巨人に2位指名を受けた松谷竜二郎
松谷は末次の電話がいつになるかわからないと思い、就活をし始めた。マグロ市場を見に行ったり、求人雑誌を見て訪問販売などを考えたりもした。三月に入り、寒さもようやく薄れ、暖かい空気がほんのりと広がり出す頃、末次から電話があった。
「明日、市ケ谷へ来い!」
今度こそ、就職の話だ。
松谷は、希望を胸に抱き向かった。
指定されたレストランに行くと、また見知らぬおっさんが同席していた。今度は、どこか威厳があって品のある中年男性。実は、末次が懇意にしている建設会社の社長で、WCBF(世界少年野球推進財団)を手伝うなど野球界に精通し、会社の専務理事には藤田元司(元巨人監督)が名を連ねていた。
「どうだ、世話になってみないか!?」
末次が躊躇なく勧めてくるが、松谷は迷った。
そんなときに社長が口を開く。
「これから新しい会社を作るので、いずれキミを社長として迎え入れたい」
驚くべき言葉が投げかけられた。「社長かぁ」この響きで迷いは吹っ飛び、松谷はその会社で世話になることになった。
(後編へつづく)
書籍『第二の人生で勝ち組になる 前職:プロ野球選手』(著:松永多佳倫/KADOKAWA)では、5名の元プロ野球選手の“その後“を追いかけている