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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「岡田監督は“俺が助けてやる”という親父」“イチローに学んだオリ阪神OB”平野恵一が語る名将論「中嶋監督は選手の好き嫌いではなく…」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2023/12/26 17:00
オリックス時代、阪神時代の平野恵一。現在は台湾の球団でその経験値を生かして指導している
「選手とのコミュニケーションが上手で、〈いい選手を使う、レギュラーでも調子が悪かったら外す〉という方針がはっきりしています。選手の好き嫌いじゃないのが明確ですから選手はやりやすいし、どんどん若い選手を使う。今年、オリックスのキャンプで中嶋監督と話しましたが、先見の明があるなと感じましたね」
現在、台湾で野球指導者を続けているワケ
そんな平野氏は引退後、阪神のコーチを経て2年前からCPBL中信兄弟に。今はファーム野手発展ディレクターを務めている。
「台湾と言えば、東日本大震災のときに日本に一番最初に駆け付けてくれた。救援物資、寄付金、人の援助などです。そのことを日本人として忘れてはいけないし、恩返しをしなきゃいけないと思っていたんです。
それに野球の歴史を調べても、日本と台湾の関係ってものすごく深いんです。球団からはジャパンウィンターリーグのメリット・デメリットをしっかり調べてきて欲しいと言われています。もちろん選手の獲得も考えていますし、じっくりと選手を見つめていきたいですね」
続いて、ジャパンウィンターリーグに参加した選手たちに平野恵一氏が話した「講話」を紹介する。プロとして、そして野球選手として生きていくために何が必要か、驚くほど具体的なレクチャーだった――。
<第2回に続く>
平野恵一Keiichi Hirano
1979年4月7日生まれ、神奈川県出身。桐蔭学園高、東海大学から2002年、ドラフト自由獲得枠でオリックス・バファローズに入団すると内野手、外野手として活躍。2008年には阪神にトレード移籍。2013年に再びオリックスへ。14年の現役生活で1260試合1184安打。二塁手としてベストナイン、ゴールデン・グラブ賞各2回、オールスター出場4回。