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大谷翔平の「新しい上司」ドジャース・ロバーツ監督とは何者か? 那覇生まれ、好物はカレーライス…日本人母は「日本語を教えておけばよかった」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2023/12/18 06:01
大谷翔平の入団会見を最前列の席で見守った後、写真撮影に応じるロバーツ監督。起用面でカギを握る「上司」といえる指揮官は何者なのか
テクノロジーの進化に伴い、球界全体が詳細なデータを駆使し、戦術を探っていく時代。高校時代以来、「文武両道」だったロバーツは学業も優秀で、名門UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)卒業後、メジャー入りした。ただ、ロバーツの場合、必ずしも「データ偏重」というわけではない。これまで投手交代のタイミングなどで批判を浴びたことも少なくないが、基本的には各選手とのコミュニケーションを重視する「オールドスクール」の匂いも忘れてはいない。
父は海兵隊勤務、母は日本人
出生地は、沖縄県那覇市。当時、同地の米国海兵隊に勤務していたアフリカ系米国人の父ウェイモンさんと日本人の栄子さんの間に生まれ、その後、父の複数の赴任地を経て米国サンディエゴに定住した。幼い頃から、軍人としての厳しさを持つ父にメンタリティーの重要性を説かれ、日本人特有の礼節を重んじる栄子さんの優しさを受けて成長した。空腹になれば、おにぎりを頬張り、大好物のカレーライスをたいらげた。ロバーツ自身は日本語を話せないだけに、栄子さんは「私がもっと日本語を教えておけば…」と悔やむものの、メジャー屈指の球団の監督となった今もなお、日本が特別な思い入れのある国であることに変わりはない。
じつはマイナスにならなかった、交渉の暴露
今回、大谷がFA市場で交渉解禁となった後、代理人事務所「CAA」が情報管理を徹底したことで交渉過程が一切漏れず、憶測情報が錯綜した。それでも、ロバーツ監督は、交渉が佳境に入った12月初旬、開催中だったウインターミーティングの会見で、「ウソはつきたくない。いずれ分かることだから」と、直前に大谷とドジャースタジアムで直接交渉していたことを明言した。