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「エンドウはロッカールームでよく話すようになった」サラーが番記者に明かした遠藤航への評価「冬の移籍市場、リバプールが6番タイプを補強するウワサは?」
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ジェームズ・ピアース(The Athletic)James Pearce
photograph byGetty Images
posted2023/12/12 17:47
12月3日のフラム戦。後半44分に貴重な同点弾を決めた遠藤航。プレミアリーグ初ゴールだった
当初リバプールは、後釜のターゲットとしてモイセス・カイセド、ロメオ・ラビアの2人に狙いを定めていた。ところが両者はチェルシー移籍が決定。後釜を探すなかで、遠藤のほかに、このアンドレにも注目していた。
リバプールは所属先のフルミネンセに獲得の打診をしたが、承諾の返事を得られなかった。フルミネンセ側は「アンドレをブラジルリーグのシーズンが終わる11月までチームに留めたい。つまり、23年夏の移籍期間で売却しない」と答えた。
しかし、11月に南米王者を決めるコパ・リベルタドーレスでフルミネンセが頂点に立つと、クラブ幹部は1月の市場で主力選手を売却する意向を認めた。それゆえ、リバプールの補強候補としてアンドレの名前が挙がっているのだ。
クロップ監督は「アンドレへの興味を失いつつある」
ここからは、筆者の掴んでいる情報をまとめる。
クロップ監督とリバプールの幹部たちは、アンドレへの興味を失いつつあるという。サポーターの間では「6番タイプの選手が少ない」との声があるが、クロップ監督は、現在の中盤編成に一定の満足感を示しているようだ。その裏には、怪我で離脱中のティアゴ・アルカンタラとステファン・バイチェティッチが復帰できる見通しになった事情もある。そうであっても、序列を上げていきたい遠藤には間違いなく朗報だろう。
遠藤の課題は、プレースピードへの適応だ。対峙した相手に対してモーションが出遅れ、追いかける格好になってタックルやデュエルを挑もうとするシーンが散見される。こうなると、必然的にファウルを取られるリスクは高まる。激しさゆえに「あわや退場」とのシーンもあっただけに、遠藤の持ち味であるアグレッシブさを失うことなく、俊敏性や判断力に磨きをかけたい。そうすれば、相手に遅れを取るシーンは減るはずだ。
また先発を命じられたクリスタルパレス戦(9日)で、相手プレスのターゲットにされたように、遠藤はボールキープの質も上げていきたい(※結果的に前半で交代)。プレスをかけられたらボールを素早くさばいたり、あるいはヒラリとかわす術が、リバプールの6番の選手には必要だ。
サラー「エンドウはロッカールームでよく話すようになった」
気がつけば、リバプールはプレミアリーグで首位に浮上した。2019−20年以来となる、プレミアリーグの頂点も射程圏内に入った。