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大谷翔平+ドジャース=“日本と縁深い”巡り合わせ「憧れるのはやめましょう」ベッツらが新同僚、日本人最多81勝は野茂英雄…“本塁打王”も?
posted2023/12/11 20:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Ronald Martinez/Getty Images
日本時間の日曜日の10日未明、大谷翔平は自身のインスタグラムでこう切り出した。
〈全てのファンの方、野球に携わる全ての方に、ここまで結論が長引いてしまったことをお詫びします。次のチームとして、ドジャースを選ぶことを決断しました〉
大谷翔平らしい丁寧なコメントで、ロサンゼルス・ドジャース移籍を発表した。
契約は10年で総額7億ドル(約1015億円)。円安の影響もあって日本円に換算すると、ついに1000億円を超えた。2003年、松井秀喜がニューヨーク・ヤンキースと3年総額2100万ドル(当時:約25億4100万円)の契約をしたときに、日本のファンは目を見張ったものだが、単年換算すると、大谷はその10倍である。
今回の大谷のトミー・ジョン手術(新しい術式を取り入れていたようだが)を担当したのは2018年に続いて、ニール・エルアトラッシュ医師。実はドジャースのチームドクターでもあった。この1年間の投手・大谷翔平のリハビリテーションを考えれば、東海岸やカナダなどの選択肢はなかったのかもしれない――。
直近5シーズン“ほぼすべて100勝以上”の名門
大谷が移籍するドジャースとは、どんなチームなのか?
〈ロサンゼルス・ドジャース ナショナル・リーグ西地区〉
◇今季成績 100勝62敗 1位→地区シリーズでダイヤモンドバックスに敗退◇
西海岸で実力、人気随一の強豪チームで、本拠地はロサンゼルス市内中心部にあるドジャー・スタジアム。2019年からの5シーズンでショートシーズンだった2020年を除いてすべて100勝以上を挙げ、2013年以降は常にポストシーズンに進出している。何としてもポストシーズンで熱い戦いをしたい大谷には理想的なチームだ。
今季の観客動員は383万7079人、30球団中で断トツの1位。1試合当たりの観客動員も47371人で1位である。監督は日系二世で沖縄県生まれの51歳、デーブ・ロバーツ。2016年に就任以降、すべてポストシーズンに進出し、ワールドシリーズ優勝1回の経験を持つ。
打線:ベテラン多めだがベッツ、フリーマンら超強力
そんな名門チームの現在の陣容を見ていこう。■はFA選手。
〈野手陣〉
捕手:ウィル・スミス28歳
126試464打121安19本76点3盗 率.261 OPS.797
一塁:フレディ・フリーマン33歳
161試637打211安29本102点23盗 率.331 OPS.976
二塁:ミゲル・バルガス23歳
81試256打50安7本32点3盗 率.195 OPS.672
三塁:マックス・マンシー32歳
135試482打102安36本105点1盗 率.212 OPS.808
遊撃:ミゲル・ロハス34歳
124試385打91安5本31点8盗 率.236 OPS.612
左翼:デビッド・ペラルタ35歳
133試394打102安7本55点4盗 率.259 OPS.675■
中堅:ジェームズ・アウトマン26歳
151試483打120安23本70点16盗 率.248 OPS.790
右翼:ムーキー・ベッツ30歳
152試584打179安39本107点14盗 率.307 OPS.987
DH:JDマルティネス35歳
113試432打117安33本103点1盗 率.271 OPS.893■
レギュラーの9人のうち6人が30代と、ややベテランが多い。