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日ハムスカウト部長が明かす“大谷翔平秘話”「突然の筋肉増量で栗山前監督がびっくり」「クリスマスイブも野球」

posted2021/11/19 11:03

 
日ハムスカウト部長が明かす“大谷翔平秘話”「突然の筋肉増量で栗山前監督がびっくり」「クリスマスイブも野球」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

リーグ最優秀選手(MVP)に選出された大谷翔平。01年のイチロー氏受賞以来10年ぶりの快挙となった

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島沢優子

島沢優子Yuko Shimazawa

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Nanae Suzuki

MLBア・リーグの年間MVPに選ばれた大谷翔平(27)。投手としては9勝を挙げて防御率3.18、打者では46本塁打、100打点、打率2割5分7厘で26盗塁をマークし、二刀流を成立させた。世界ナンバーワンプレーヤーへと突き進む大谷の「成長する力」の根っこは何なのか。

彼の才能に惚れこみ、獲得に関わった北海道日本ハムファイターズでスカウト部長を務める大渕隆さんに話を聞いた。

2021年の大活躍「正直、ここまでは想像していなかった」

――1年目の2018年秋に肘、打者に専念した2年目は膝を手術しました。2年ぶりに二刀流に挑んだ昨年は2登板ながら未勝利で、本塁打は7本。今季は勝負の年ではありましたが、そのプレッシャーをものともせずこの通りの大活躍です。今の姿、想像していましたか?

大渕 どうなんでしょう。すごいっていう言葉には収まらないですね。正直、ここまでは想像していないです。(大谷の出身校である)花巻東の佐々木洋監督は「世界一の選手になる」とおっしゃっていましたが、彼にそのポテンシャルがあると僕は考えていませんでした。

――ポテンシャルがあっても、その力を発揮すると言うか「成長し続ける力」が、別に必要ですよね。

リスクも承知で手術を選択「野球を楽しくやりたいから」

大渕 なるほど、成長し続ける力ですか。それを言われて思い出すのは(メジャー)1年目のシーズンが終わるころ、肘の手術をするかどうかを検討していた時の彼の姿でしょうか。手術すればリハビリ含めて復帰までそれなりに長い道のりで、リスクもある。一方で、切らずに治す方法もあった。しかし、彼は手術することを選びました。その理由が「野球を楽しくやりたいから」でした。

――肘を完治させて、全力でやりたい。そのほうが楽しいじゃんってことですよね。

大渕 その通りです。手術せず温存して最終的に全力でできるところまで治るにしても、途中リハビリというか様子見ながらとか、何試合までというふうに制約されながらやるより、手術して完全に治して全力で野球をやるほうが楽しい、と。それを聞かされて、僕自身ハッとしました。しかも、僕が思っていたよりずっと判断が早かった。え? もう決めちゃったの?みたいな。ちょっとした衝撃でした。

――はなから「楽しいが最優先」みたいな哲学があったからなんでしょうか。

【次ページ】 「楽しくやれるかどうか」が判断基準

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