ワールドシリーズのダッグアウトリポーターを務めるほどの人物も「なぜ“今”なのかという疑問について、彼が考えていることは分かりませんが……」と前置きして、冒頭の言葉を発した。

　実際、大谷の代理人は獲得を希望する全球団に“二刀流実現のための起用法や調整法”などについての質問状を送り、そこから精査、ミーティングを積み重ねた。その蓄積による大谷の最終決断が、エンゼルスとなった。

2018年シーズン開幕時の大谷　©Nanae Suzuki

「ベストな選択をして、今、ここに来ている」

「ベストな選択をして、今、ここに来ているという気持ちです」

　エンゼルスの入団会見時、大谷はこのように話した。そこから6年、メジャーリーグで積み重ねた二刀流の実績は輝かしいものとなった。さらには今年のWBC決勝では、盟友であるトラウトとの“最終決戦”で空振り三振に切って取り、アメリカに勝利した。

WBC決勝での大谷　©Naoya Sanuki

　MVP発表時の“犬との2ショット”も話題になったが、やはりベースボールの母国のファンたちが熱狂するのは、その投打躍動ぶり。MLB公式を筆頭にした「X」が新天地候補としてブルージェイズ、ドジャースなどを筆頭に速報的に伝える中で、30歳を迎えるシーズンとなる大谷は、どのユニフォームを着てスタジアムに姿を現すのか――。