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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「オオタニ、どこで買える?」ユニ姿の長女がシアトルで大人気、WBC打撃練習でも…「愛され大谷翔平」ナマ観戦記〈MVP発表では犬谷さん〉
text by
AkiAki
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/11/17 17:01
WBC決勝、大谷翔平渾身のラストピッチ。ここから伝説の1年は始まった
なお余談だが、前述の友人は25年来のマリナーズのシーズンシートホルダーである。〈来年は大谷にシアトルに来てもらって、チーム史上初のワールドシリーズ制覇に貢献して欲しい》とも言っていた。
★生観戦は未来への投資になる★
筆者だけでなく、今年もメジャーの中継を見れば大勢の日本人ファンがアナハイムや敵地を訪れて観戦している様子が映っていた。家族旅行と思われる方から、大学生、そしてシニアの方の団体旅行など層は幅広い。それぞれが思い思いの自作応援ボードを掲げ、カメラを構え、その瞬間を全力で楽しんでいる姿が毎日のように中継に抜かれていた。
例えば大谷を観戦した小学生がいたとして、50年後……。
「大谷をアメリカで見たんだよ」「すごーい!」
このような会話が交わされるのかもしれないと思うと、胸が熱くなる。
円安や物価高などアメリカ観戦へのハードルは高くなる一方だが、現地観戦での感動はやはりプライスレス、見られる機会や時間があれば少しでも早く、悩む前にまず行かれることをお勧めしたい。その場にいた観客は、大谷の映像が流れる度に「ああ、ここにいたんだな……」と感動がよみがえるはずだ。
大谷が成し遂げた“野球ファン拡大”という業績
★2023年大谷が日本に届けた「元気」★
「1日の始まりは大谷から」
「仕事で疲れていても疲れが吹っ飛ぶ」
「新聞や雑誌で“大谷”の文字を見つけただけでワクワクする」
現地観戦以外でも――筆者の周囲では、こんな声を今年はよく聞いた。
さらに聞くと、その二刀流としての圧倒的な野球技術が生み出す魅力はもちろんなのだが、それ以上に「人間性」、そして集中した試合の中で時折見せる「無邪気な笑顔」、「相手への敬意」など、ちょっとした仕草や行為、表情に魅了されているというファンが多い。
しかも、それまで野球に興味がなかった人たちが今回のWBCで大谷の魅力を知り、そして見るようになったという。過去、野球に対して興味がなかった層を巻き込み、そして味方だけではなく、相手チームまでも巻き込んで愛されている。大谷自身、どんな成績よりも、「一番大好きな野球、その野球ファンが自分がきっかけで増えている」という事実が一番嬉しいことなのかもしれない――とも感じた。
そんな記録的な1年、メモラビリアとしても記憶に残したいトピックが数多くあった――。
<第2回に続く>