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藤井聡太「好物のカレー」「キノコ嫌い」…管理栄養士はどう見る?「一品料理の中では最善手に近い」「キノコのビタミンD、じつは多くの人が不足」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byKeiji Ishikawa
posted2023/11/11 06:02
タイトル戦でおなじみの昼食、おやつの注文。その選択から見えてきた傾向を管理栄養士に聞くと…
「まずはおむすび。食べやすいので。お茶碗で持つよりもおむすびで。そして白米ではなく、できれば玄米で。玄米には糖質をエネルギーに変えるビタミンB1も入ってます。玄米の塩むすびを1個か2個入れたいです。
これは自分の経験もあって、自分が囲碁の大会に出た時に緊張もして、ストレスもあるしで、あまりお腹が空かなかったんですね。そういうことが起きうるので、食べやすく、食べるのに時間がかかりすぎず、量が調節できるもののほうが良いかなと思いました。
あと味噌汁が欲しいです。汁物、あったかいものが欲しいですね。あったかいものを摂ると緊張もほぐれてホッとするので。何か温かいものは1品欲しいですね。
タンパク源も欲しいので、何か合わせるなら、塩鮭、卵焼き、煮卵でもいいですし、お肉とかでタンパク源を1つ。長期的視点でいうと魚にはオメガ3っていう良質な脂が含まれています。脳の働きを上げる、若々しく保つっていうところでも魚はすごく役立ってくれる。なので、その中だと魚を推したいところです。あとは糠漬けがあるとビタミンB1も摂れますし、玄米にも合うのでいいのかなと」
理想に近づきつつある
この話を聞いた後、竜王戦第2局1日目に藤井が頼んだのは紅葉御膳。焼き魚、刺し身をメインに漬物、お吸い物も付いていて、玄米でないこと以外はほぼ文句なし。栄養面からも理想に近づきつつある八冠。これまで見てきたタイトル戦の全食事メニューの傾向が、八冠獲得以降にさらなる進化を見せるのか。これからも藤井八冠の将棋めしから目が離せない。
<「何を食べてきたか」編とあわせてお読みください>