「カルシウムの吸収を助けて骨を強くする栄養素として知られるビタミンDが不足するおそれがあります。ただ、ビタミンDの効果はそれだけでなく、アレルギーや免疫機能にも関わるということが最近注目されてきている栄養素なんです。ビタミンDがしっかり摂れている人はがんが予防できているとか、糖尿病になりづらいなど生活習慣病にも効果があることがわかってきています。
　一方で衝撃的だったのが今年、東京慈恵会医科大学が発表した研究で、東京都民5518人を対象にした調査で98％がビタミンDが不足していたということがわかったんです。つまり、藤井さんだけじゃなくほとんどの人が足りていないんです」

キノコ（写真はイメージです）　©Keiji Ishikawa

　今年1月には「舞茸の天ぷらを食べられるようになった」と報告していた藤井。苦手は克服しつつあるが、さりとて多くの量を食すのは現実的ではない。キノコ以外だとどのような品目で重要なビタミンDを摂ることができるのか。

最近はサプリで摂る方が多い

「メインとしては魚介類が多いですね。日本人は8割くらいのビタミンDを魚介類で摂取していると言われています。あとはビタミンDというのは、皮膚で紫外線を浴びると合成されます。なので、ビタミンD不足の一因には、みんな太陽の光を浴びなくなっているっていうのも多分に関わっていると思います。リモートワークなんかも進んでいますし、美容の面から日光を避けたいという方もいらっしゃいますよね」

対局中は太陽を浴びることがほぼない　©Keiji Ishikawa

　そう考えると屋内での活動時間が長い棋士にとっては不足しがちな栄養素と言えるのかもしれない。どう摂取したら良いのか。

「最近はサプリメントで摂る方が多いですね。ビタミンDのサプリは比較的安価なので、継続的に摂っても負担にならないこともあり、サプリで手軽に摂取するという方が多いんです」

圓尾さんが考える理想の将棋めし

　これまで藤井八冠の食の面を総点検してきたわけだが、理想の将棋めしはどのようなメニューになるのか。最後に管理栄養士の圓尾さんが考える理想の将棋めしを聞いてみた。

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