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藤井聡太「好物のカレー」「キノコ嫌い」…管理栄養士はどう見る?「一品料理の中では最善手に近い」「キノコのビタミンD、じつは多くの人が不足」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byKeiji Ishikawa
posted2023/11/11 06:02
タイトル戦でおなじみの昼食、おやつの注文。その選択から見えてきた傾向を管理栄養士に聞くと…
読者の中にはデスクワークなどで脳をフル回転させる時、もしくは一夜漬けで勉強するときなどお菓子をどんどん口に投入するという方もいるだろう。正念場で「午後のおやつ」を食べないというチョイスは正着なのか。
「おやつを食べる利点としてはエネルギーを補給できるという点があるんですけど、藤井さんのメニューを見るに、お昼ご飯をしっかり食べているので、それほど不足しているという状況でもないのかなと思いました。対局も午前より午後の方が、いよいよ佳境を迎える重要な局面だと思いますので、そこで集中するために『刺激』を減らしているのかもしれません。
例えば、糖の刺激を減らすというのは眠気を起こさないということにも繋がります。お菓子は砂糖が入っているので、血糖値を上げやすいんですね。砂糖を摂ることで血糖値が上がりますが、その反動で摂っていない時間は下がってしまう。そうすると眠気が起きる場合もありますので、確かにそれを気にして摂らないようにされているっていうのはあるかなと思いますね」
砂糖のいい面
ただ、こうも付け加える。
「砂糖って割と悪者扱いされがちなんですけど、一方でいい面もあって、砂糖を摂るといわゆるハッピーホルモンが出る。脳の報酬系が働いて、喜びを感じるんです。もちろん摂り過ぎは良くないと思いますけど、ストレスが多い中で、ちょっと甘いものを使って自分を癒すというか、リフレッシュするというか、そういう使い方はいいんじゃないかと思います」
実際、2日制の対局での1日目の「午前のおやつ」と「午後のおやつ」では藤井八冠も97.7%(88回中86回)でお菓子を頼んでおり、神経質になりすぎないよう心がけているのかもしれない。
キノコを食べないと…
これまで最善手にも思える食の指し回しを見せてきた藤井将棋だが、見逃せないのがキノコ回避だ。キノコを食べないとどんなデメリットがあるのだろうか。