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まさかの戦力外続出、監督交代も…いまソフトバンクに何が起きているのか? “ナゾだらけ”の1週間に記者絶句「新チーム始動の日にどうして…」
posted2023/10/25 06:03
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
JIJI PRESS
まるで猛烈な嵐のうねりの中に身を置いているような日々だ。10月16日、ソフトバンクはCSファースト第3戦での悪夢の逆転サヨナラ負けで2023年シーズンの幕を下ろすと、その瞬間を待っていたかのように、急速に事態が動き始めた。
CS敗退“1時間22分後”の「監督退任発表」
試合終了直後、藤本博史監督は自身の去就について「知りません。聞いていません」と話したというが、ゲームセットからわずか1時間22分しか経過していない午後11時40分には球団から藤本監督退任のリリースが流れてきた。さらにその時点ではすでに後任に小久保裕紀二軍監督が最有力だと各メディアで一斉に報じられていた。
監督交代はチームにとって一大事である。また、トップが代われば政権を支える参謀たちの顔ぶれも交代するのが常だ。現に新たなコーチの外部招聘や、チーム内での配置転換など様々な情報が流れている。正式発表はまだ行われていないが、一部コーチは退任となるようだ。
ただそこまでは正直、遅かれ早かれ起こり得ると、ある程度予測していた。
心に本当の大波を食らったのは、そこからだった。
未明から…つぎつぎに戦力外報道
10月17日午前2時に「西スポWEB OTTO!」の第一報で、森唯斗投手の来季構想外が伝えられると、その後他社も一斉に追いかけた。
そして10月22日の未明には各メディアから嘉弥真新也投手、上林誠知外野手、髙橋純平投手、佐藤直樹外野手、九鬼隆平捕手、古川侑利投手の6名についても来季の戦力構想から外れていることが分かった、と報じられた。
筆者もチームを長く取材している身のため一部選手については報道前に耳に入っていた。だがそれでも、朝起きてスマホを見て記事として「事実」を突きつけられると、重たい気持ちに襲われ、ため息がこぼれた。
功労者ズラリ…「まさか」の戦力外選手たち
2013年ドラフト2位の森は、プロ入団1年目からソフトバンクのリリーフ陣の中心として活躍。2018年には兄貴分と慕うサファテの故障により守護神に配置転換され37セーブを挙げ、最多セーブのタイトルにも輝いた。入団年から7年連続50試合以上登板を果たした。その後故障で成績を落としたこともあり、通算127セーブ&105ホールドを挙げていたものの心機一転、今季は本格的に先発転向。ファームでは12試合で防御率1.54と安定した投球を見せたが、一軍では6試合登板で2勝3敗、防御率4.60の成績にとどまった。