＜楽天外れ外れドラ1＞体重50kg台、“ガイコツみたいな無名投手”が153km左腕になるまで　桐蔭横浜大・古謝樹が語る「夢はホテルマン」からの成長秘話

なるべく隅っこでやりたい

「恥ずかしがり屋というか、内気な性格なんです。あまり注目されたくないというか、なるべく隅っこでやりたい。大人数で喋るのも好きじゃないし、大勢でいたとしてもやっぱり端っこで2人くらいで喋っているような、そんなタイプです、僕」

　運命のドラフト会議を前にした左腕は、そう言って少しはにかんだ。にわかに注目を集め出したのは、4年生となった春の全日本大学選手権。初めて経験する全国大会の初戦・仙台大戦で、自己最速の153kmをマークした。大学日本代表にも選ばれて国際舞台も経験して、一気に評価を上げた。1年前まで“無名”だった左腕は、どんな野球人生を歩んできたのだろうか。

大学日本代表の合宿で東洋大・細野晴希と言葉を交わす古謝　©Hideki Sugiyama

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高校入学時は160cm台後半、体重50kg台

　神奈川県横浜市生まれの古謝は3歳年上の兄の影響で、幼稚園の年小から野球を始めた。ボールを握った瞬間から左投げ。小学校1年生で野球チームに入ってから投手一筋だが、「プロ野球選手」の夢は決して現実的なものではなかったという。岩崎中時代の練習場所が横浜スタジアムに近かったため、DeNA・三浦大輔監督の現役時代の姿は記憶にあるそうだが、「プロ野球や高校野球はほとんど見ていなかった」と振り返る。唯一声がかかった湘南学院高校（神奈川県）の入学時のサイズは、身長が160cm台後半で体重は50kg余り。

小倉清一郎との出会い

「同級生のピッチャーは体も大きくて、自分が一番細かった。練習について行くだけでもギリギリで、野球が上手くなりたいということより、その練習量に耐えるのに精一杯でした。高校卒業する時点でも、180cmそこそこで、体重は60kgくらい。細すぎますよね。本当に骨と皮だけ、って感じでガイコツみたいだったと思います（笑）」

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