以前は一塁手だったが、自分から練習を重ねて、三塁手も右翼手もOKのレベルになっていて、50mのタイムは6秒3。リーグ戦では再三、盗塁を奪ってチャンスを広げてきた。だから私も、最近は「動けるガリバー」というキャッチを使わせていただいている。

　ガリバーだから打球だって、見えなくなるほど飛ばしてみせる。力任せの引っ張ったホームランじゃない。打球方向がいい。バックスクリーン方向、左中間、右中間へ、とんでもなく飛んでいく。無理をしない合理的なスイングが出来ている証拠だ。

　リーグ戦通算20弾、全国大会へあと一歩の大一番に、バックスクリーンのちょい左、場外にまで飛ばした勝負強さも兼ね備えて、ただでさえ「人手不足」の右の大砲候補だ。稀少価値も大きい。

　練習グラウンドが毎日変わるような環境でも、自分から黙々と、コツコツと練習を重ねて、ここまで内容凝縮の「ガリバー」を構築してきた事実には頭が下がる。

前例がないからこそ…期待が募る！

　プロでいえば、広島・新井貴浩監督の189cm102kgより、まだ、もうひと回り大きい。ただ、大学時代でいえば、村田怜音のほうがちょっとだけ野球は上手いと思う（失礼！）。

　前例がないとなかなか実現に向かわないのが、この国ではよくあることかもしれないが、その「前例」になってやればよい！

　決して話題性だけじゃない。その資質をいくつも兼備したガリバーの「この先」を、私はとても楽しみにしている。

＜外野手編に続く＞

#4に続く

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