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内藤哲也がG1優勝後に語った「IWGP王座よりも東京ドームのメインの方が上」…満身創痍の41歳は“4年越しの大合唱”を実現できるのか
posted2023/08/16 17:22
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
8月13日、両国国技館。圧倒的なファンの声援と支持を得て、内藤哲也は『G1 CLIMAX 33』優勝戦でオカダ・カズチカを下し、6年ぶり3度目のG1制覇を果たした。
内藤は史上最多の32人が出場した今回のG1を「なんでこの選手がG1にエントリーされてんのかなと思う」と評していた。そして「4ブロックそれぞれ2位までが決勝トーナメントに進めるG1」をマイペースで消化していた。いや、そう見えたのは内藤自身の体調不良との兼ね合いだったのだろう。
準決勝のオスプレイ戦は年間ベストバウト級の激闘に
内藤は7月16日、北海道立総合体育センターで行われた最初のジェフ・コブ戦を落とした。本人の言葉を借りれば「完敗」だった。
その後の内藤は「油断していたわけではない」と言いながらも、シェイン・ヘイストにも黒星を喫した。一時は2勝2敗というイーブンの星取りだったが、最終的には5勝2敗でDブロックを1位で通過した。
決勝トーナメントに入った8月10日の船橋アリーナでの準々決勝。内藤は「好きなタイプの対戦相手」だという長身のヒクレオをデスティーノ(DDT)で下した。
さらに12日の両国国技館での準決勝で、内藤はウィル・オスプレイと一進一退のスリリングな攻防を展開した。何度も「内藤か、やっぱりオスプレイか」と思う場面が繰り返された。終盤、オスプレイの強烈なキックをアゴに受けた内藤は脳震盪を起こしたのか、足がもつれて立ち上がれなくなりピンチに陥った。それでもどうにか息を吹き返すと、逆転のデスティーノでオスプレイを押さえ込んだ。
まだ「プロレス大賞」の選考までには約4カ月を残しているが、この試合が間違いなく今年の年間ベストバウトに選出されることになるだろう。
「オレがなんであんなことを言ったのか。やっぱりオレにとってG1 CLIMAXっていうのは、ファン時代から見ていたけれど、選ばれし戦士のみが参加できる真夏の最強決定戦だと思っているんでね」
内藤とオカダによる優勝決定戦はこれが初めてだ。オカダが優勝すれば史上初の3連覇、通算5度目の優勝。内藤が勝てば2017年以来6年ぶり3度目の優勝となる。