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大谷ロスを痛感した社会人「どれほど救われたか…」そこで訪ねた大谷翔平の小学校“まるでポツンと一軒家”だった話「この静けさが怪物を生む?」
text by
YukoYuko
photograph byYuko
posted2023/10/14 11:00
岩手県南部の平泉にある「高館義経堂」からの眺望
そうこうして、まず到着したのは花巻東高校。ホームページには「練習日:火、水、木、金、土、日」「活動時間:平日16時~20時、土日7時~18時」と、しっかり明記してある。土日の練習量、半端ではない。来場者をモニュメントに導く看板が立っているので、それに沿ってグラウンド方向へと歩く。途中、野球部員たちから「おはようございます!」と挨拶される。
モニュメントはバックネット裏に…
モニュメントは、バックネット裏にあった。菊池雄星選手と大谷選手が同時にオールスターゲームに選ばれた時の記念碑である。
花巻東高校といえば、大谷選手もさることながら、菊池選手を抜きにしては語れない。東北に高校野球の優勝旗がわたるかもしれないと、東北人に強く予感させてくれたのがユウセイ選手だ。2009年の甲子園準決勝、わずか11球で降板して敗退したあと「一生野球できなくてもいいから……人生最後の試合だと思って……投げ切ろうと」と泣き崩れるシーンは、いつ見てももらい泣きする。ケガをするほどピッチャーを酷使してはならないという指導が定着した今、これを名シーンと言っていいかはわからないが、高校野球のスピリットを象徴するシーンであるとは思う。
グラウンドには、甲子園出場年を記す紫色のペナントがたくさん飾られていた。校舎には大きな垂れ幕が飾られている。本塁打王を祝う垂れ幕も、近いうち追加されるのだろうか。
新花巻駅、そして「名前の由来」の地へ
続いて新幹線の「新花巻駅」を訪れた。花巻は宮沢賢治の出身地のため、作品にちなんだモニュメントがあちこちに建っていて素敵だ。
駅構内には、入口に「ゆ」「花巻温泉郷」の文字が掲げられたコーナーがあり、花巻を代表する野球選手らの品々が多く展示されている。ユウセイ選手のユニフォームとか、オオタニさんのグローブとかシューズとか……。すごく立派なプチミュージアムだ。と、同時に思った。ぜんぜん「ゆ」じゃない!
さらに足を延ばし、岩手南部の平泉に向かった。知る人ぞ知る知識かもしれないが、大谷選手の「翔平」という名前は平泉からとられた。「翔」は源義経が(八艘の船を飛び移って)飛ぶように戦った逸話から。「平」は「平泉」からとられたものだ。