多くの報道陣に囲まれた「チーム最年少」

　大会前に20歳の誕生日を迎えたチーム最年少の甲斐優斗も取材エリアで多くの報道陣に囲まれながら充実の表情を浮かべていた。

　 五輪予選ではピンチサーバーで貢献してきたが、アメリカ戦では今大会初得点も挙げ、4得点と躍動した。

「これまでサーブで出る機会が多かったですし、本当はサーブで1点取りたかったんですけど、スパイクで初得点できたときはすごく嬉しかったですね。（これだけ得点できたのは）チームのみんなが支えてくださったからこそだし、自分は思い切ってやるだけでした」

　連日会場には超満員の観客が詰めかけ大声援も大きな経験になったという。

「これだけの観客の前で、こんな大きい体育館でプレーするのは、バレーボールをしている人ならみんな憧れる。自分もずっと憧れていた舞台ですし、プレーしていてすごく楽しかったです」

最年少の甲斐優斗（右）も超満員の観客の前で、堂々としたプレーを見せた　©Yuki Suenaga

　そんな次代のエース候補は、前日のスロベニア戦で3−0と勝利してパリ五輪出場権を決めた石川祐希や西田有志らの姿を見て、五輪への思いがさらに強くなったという。

「（五輪の）切符を取ったときの先輩方の涙を見たときに、『自分もオリンピックに行きたいな』と思いました。この1年、代表として活動してきて、自分がどうしたらコートに立てるのかを考えるいい時間にもなりました。そして今日試合に出させてもらった。今の自分は何が通用して、何が通用しないのかを感じることもできました。まずは守備の面。レセプションだったりレシーブをもっとのばしていきたいです」

“あの敗戦”の日…関田の涙、山本の笑顔の話

　一時は、格下のエジプト相手に2－0とリードしながら大逆転負けを喫し、窮地に立たされた。

　試合後、セッターの関田誠大は目を真っ赤にしてロッカールームへと引き上げ、うつむきがちになる選手もいた。

　ただ、それでも試合は続く。取材エリアで印象的だったのがリベロの山本智大の姿だ。

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