酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
〈新人王最終予測〉阪神・村上頌樹とオリ山下舜平大で当確だが、秋広優人と森下翔太も2ケタHR…立浪中日で輝いた「育成の星」とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama/JIJI PRESS
posted2023/10/04 17:03
阪神・村上頌樹とオリックス山下舜平大。新人王最有力の2人だが、彼ら以外に活躍が目立った新顔は誰?
〈投手〉
村上頌樹(神)22登10勝6敗0S1H 144.1回 責28率1.75 PR23.28
松山晋也(中)36登1勝1敗0S17H 35.1回 責5率1.27 PR8.20
桐敷拓馬(神)27登2勝0敗0S14H 40.1回 責8率1.79 PR6.33
石川達也(De)28登0勝0敗0S3H 32回 責7率1.97 PR4.37
根尾昂(中)2登0勝0敗0S0H 12.2回 責1率0.71 PR3.50
益田武尚(広)8登1勝0敗0S0H 11回 責2率1.64 PR1.91
船迫大雅(巨)36登3勝1敗0S8H 30回 責9率2.70 PR1.54
岡留英貴(神)8登1勝0敗0S0H 7回 責1率1.29 PR1.49
松井颯(巨)8登1勝1敗0S2H 19.1回 責7率3.26 PR-0.13
門別啓人(神)2登0勝0敗0S0H 8回 責3率3.38 PR-0.16
中日の育成ドラフト1位・松山も素晴らしい成績
阪神の村上は2020年ドラフト5位。昨年まではわずか2試合の登板にとどまっていたが、今季はローテを維持し、青柳晃洋、西勇輝というエース格が不振に陥る中、圧倒的なパフォーマンスでエースにのし上がった。防御率のタイトルは当確。現役ドラフトでソフトバンクから移籍した大竹耕太郎とともに阪神優勝の原動力となった。阪神は桐敷も中継ぎとしてチームに貢献した。
中日の松山は昨年の育成ドラフト1位、6月に支配下登録されてすぐに一軍で投げ、155km/h超の威力ある速球で快投を演じ、中継ぎ投手として17ホールド、防御率1.27と圧倒的な成績だった。同じく根尾は9月18日の広島戦に今季初登板。6回まで無失点、勝ち星はつかなかったが9月30日の巨人戦も6回自責点1、この2人は低迷した立浪中日にとっては希望の星だろう。
セ・リーグの新人王も、投手の阪神・村上で決定だろう。唯一規定投球回数に到達し、最優秀防御率のタイトルも確定的だ。巨人の秋広も有力候補がいなければ、獲得してもおかしくない成績だが、村上には及ばない。
ソフトバンク近藤にわずかながら三冠王の可能性が
【2023年9月25日~10月2日 週間成績】
〈パ・リーグ〉
ソフトバンク6試4勝2敗0分 率.667
楽 天6試4勝2敗0分 率.667
ロッテ7試4勝3敗0分 率.571
オリックス7試3勝4敗0分 率.429
日本ハム7試3勝4敗0分 率.429
西 武7試2勝5敗0分 率.286
オリックスは9月20日に優勝したが、ソフトバンク、ロッテ、楽天のCS争いは10月2日時点で1ゲーム差に3球団がひしめく混戦。全く予断を許さない、一部CSファーストステージのチケットが発売されているが、これが無効になる可能性もある。優勝してからも手綱を緩めていないオリックス戦を3試合残すロッテはやや苦しいか。
〈打撃成績5傑〉※RC=Runs Create順
小深田大翔(楽)24打12安3点4盗 率.500 RC8.61
近藤健介(SB)16打6安2本3点1盗 率.375 RC6.04
森友哉(オ)22打7安1本1点1盗 率.318 RC5.75
島内宏明(楽)20打7安9点 率.350 RC4.85
和田康士朗(ロ)11打6安1本3点1盗 率.545 RC4.69
楽天・小深田が打率5割の活躍。4盗塁は1位。ソフトバンクの近藤も好調を維持。わずかだが三冠王の可能性がある。オリックスの森は規定打席到達に向けて出場を続けている。本塁打はソフトバンク近藤と日本ハム田宮裕涼の2、打点は楽天島内の9が最多。