酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
〈新人王最終予測〉阪神・村上頌樹とオリ山下舜平大で当確だが、秋広優人と森下翔太も2ケタHR…立浪中日で輝いた「育成の星」とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama/JIJI PRESS
posted2023/10/04 17:03
阪神・村上頌樹とオリックス山下舜平大。新人王最有力の2人だが、彼ら以外に活躍が目立った新顔は誰?
2020年のドラフト1位、オリックスの山下はこれまで一軍登板経験がなかったが開幕投手に抜擢された。190cmの長身から繰り出す160km/hの速球の威力は抜群。フォーク、カーブを繰り出し、瞬く間に山本由伸に次ぐエース格にのし上がった。8月27日に腰の張りで出場選手登録を抹消され、腰椎分離症と診断されたが、成績は圧倒的だ。
オリックスは、WBCにも出場した宇田川、小木田と勝ち試合を担う中継ぎ投手が登場した。
渡辺、荘司ら楽天は若手投手の抜擢が目立った
昨年ドラフト3位の楽天・渡辺はパームボールの使い手。6月に昇格すると救援で8勝23ホールド、極めて貢献度が高かった。同じく楽天の荘司は、防御率が悪いためにPRの数字は低いが、新人王候補で最多の109.2回を投げ、ローテの一角を担った。楽天は今季、若手投手を大いに抜擢したと言えよう。
さて、パ・リーグの新人王は山下舜平大で決まりだろう。規定投球回数には未達だが、オールスターにも出場し、圧倒的なインパクトを与えた。
こうしてみるとオリックスは投打で若い戦力が台頭している。新戦力が今季のぶっちぎりの優勝を担った一面もある。
巨人の秋広と門脇、阪神・森下も進境著しかった
【セ・リーグ】
〈打者〉
秋広優人(巨)403打110安10本41点0盗 率.273 RC49.98
森下翔太(神)329打78安10本41点1盗 率.237 RC40.27
門脇誠(巨)312打81安3本21点11盗 率.260 RC30.42
福永裕基(中)291打70安2本15点2盗 率.241 RC25.55
村松開人(中)275打57安1本20点1盗 率.207 RC15.13
並木秀尊(ヤ)161打39安1本7点15盗 率.242 RC14.97
前川右京(神)94打24安0本7点0盗 率.255 RC10.79
武岡龍世(ヤ)160打35安1本8点3盗 率.219 RC10.22
ブライト健太(中)58打14安0本4点2盗 率.241 RC6.85
林琢真(De)137打28安0本11点7盗 率.204 RC6.74
昨年、馬場正平(ジャイアント馬場)以来の2mの日本人選手として注目された巨人の秋広は中軸打者として独り立ち。規定打席にはわずかに届かないが、成長著しかった。
昨年の阪神ドラ1森下は後半戦3番に座り快打を連発した。好不調の波が激しく、岡田監督に叱られる日々だったが、来シーズン以降が楽しみだ。
巨人の門脇は「大選手・坂本勇人から遊撃のポジションを奪った選手」として記憶されるかもしれない。バウアーから本塁打を打つなど勝負強い打撃も光った。