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「課題は明白だが…」根尾昂が与えられた先発2試合の“正直な採点”は? 中日球団が描く未来図と立ちはだかる「10敗カルテット」+5人の男
posted2023/10/03 11:00
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
JIJI PRESS
中日・根尾昂の5年目が終了した。投手に転向して2年目。同学年が大卒ルーキーとしてプロ入りしてきた今シーズンは、先発として飛躍が期待されつつ、経験値を上げるためにまずは二軍での登板を重ねてきた。一軍初登板となったのは9月18日の広島戦(バンテリンドーム)。味方打線が序盤から活発に得点を重ね、6点リードして終盤に突入した。根尾は6回まで無失点。7回に失策がからんで1点を失った2死満塁で降板した。ところが後を託したリリーフ陣が打たれ、さらに失策も重なり何と6点リードを追いつかれてしまった。
プロ初勝利は泡と消えて…
中日打線が6点も取ることがレアなら、中日のブルペンが一気に6点取られることもレア。すぐそこに見えていたはずのプロ初勝利は、泡のように消えてしまった。それでも6イニング3分の2を4安打。結果として4失点とはなったが、自責点は0だった。
この好投により、2度目のチャンスをつかみとった。9月30日の巨人戦(東京ドーム)では、同学年の戸郷翔征に一歩も引かず投げ合った。2回に不運な内野安打で1点は失ったものの、6回2死満塁のピンチも粘って5安打、1失点。ただ、打線が苦手の戸郷を打てず、1点での負け投手が見えていた。ところが戸郷が退いた8回に追いつき、9回はバッテリーを組んだ石橋康太がソロ本塁打を放って逆転勝利。初登板では勝ちが消えた根尾だが、2度目のマウンドはあわや負け投手となるところを救われた。