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ラグビーPRESSBACK NUMBER
清宮幸太郎(24歳)“野球よりラグビー”だった速くてデカい少年時代「強すぎて仲間が辞めちゃった」「味方にタックルしてトライ」は本当?
posted2023/09/28 11:07
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Kotaro Kiyomiya
パラレルワールドがあるのなら、2023年ラグビーW杯でトゥールーズのピッチを疾走しているのは清宮幸太郎その人かもしれない。身長184cm、体重94kgの恵まれた体躯に正真正銘の「サラブレッド」の称号。もしもあの時、ラグビーを続けていたら……清宮幸太郎は一体どんなラグビー選手になっていたのだろうか。
幼少期は当然、ラグビー一色だった。物心ついた時、手にとって遊んでいたのは丸いボール、ではなく、楕円球だ。
「家にたくさん転がっていましたからね。柔らかい素材のラグビーボールがあって、しょっちゅう家の中でキックしていました。父親(克幸さん)が両腕を上げて“ポール”役をやってくれて、その間目がけて蹴るんです。ラグビーごっこもやっていましたよ。ソファにダイビングして『トラーイ!』って(笑)」
そう語る清宮は満面の笑み。野球選手としての経歴が華々しすぎて、意外にもラグビーについてのインタビューを受けるのは初めてなのだという。「ラグビー大好きですから。なんでも聞いてください!」と目を輝かせた。
「当時は野球よりラグビーでした」
清宮が2歳になる年に父・克幸さんは現役を引退し、早稲田大学ラグビー蹴球部の監督に就任した。幼少期、最初の記憶にあるのは早大監督としての父の姿、そして大学ラグビーの試合風景だという。
「国立競技場で、(早大と)関東学院大との決勝戦ですよね。まだ年少にもなっていなかったと思うんですけど、山下大悟さんや、大田尾竜彦さん(現・早大監督)ははっきり覚えています。僕、小さい頃に大田尾さんのファンだったんです。大田尾さんが赤いスパイクを履いていたのに憧れて僕も赤いスパイクを履いていたくらい。当時は野球よりラグビーでしたね、完全に」