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「便座がない」「パンで娘の歯が…」ラグビーW杯でフランス滞在、山田ローラ・章仁夫妻の“子連れ観戦記”「スタジアムでのペットボトル事件」
text by
荘司結有Yu Shoji
photograph by提供:山田ローラさん
posted2023/09/28 17:06
2015年に当時ラグビー日本代表だった山田章仁と結婚し、現在は4児の母の山田ローラさん。フランス滞在中の現在について聞いた
スタジアムの“子連れ観戦”事情は?
――パリの街には多くのサポーターが集まっているかと思います。現地の雰囲気はいかがですか?
ローラ もう熱量がすごいですね。前回の日本大会もかなり盛り上がったという印象はあるのですが、フランスはスタジアム周辺だけでなく、街全体がラグビーに染まっているという感じです。パリのシャンゼリゼ通りを歩いていると、そこかしこの広告がすべてラグビー仕様になっているんですよね。たとえばマクドナルドの広告は、ハンバーガーをラグビーボールに見立ててタックルするようなデザインになっていて。
モン・サン・ミッシェルのほうにも行ったのですが、スタジアムがないエリアにもたくさんラグビーをテーマにした広告が出ていました。日本大会では、スタジアム周辺は盛り上がっていましたが、試合のない地域は「本当に日本でワールドカップやっているの?」という雰囲気だった記憶があるので。国全体が“ラグビー一色”という盛り上がり方はとても新鮮で、楽しいなと思います。
――日本代表の試合は現地のスタジアムで観戦しているのでしょうか?
ローラ 日本代表の試合はパリでは行われていなくて、会場のあるトゥールーズまでは電車で4時間半かかるので無理……と。その代わりに、パリ近郊のスタジアムで行われたオーストラリア対ジョージアの試合を観に行きました。
――フランスのスタジアムは、子連れでも観戦しやすい環境ではあるのでしょうか?
ローラ 特別な配慮はありませんが、子連れ専用のレーンから待たずに入場できますね。日本のスタジアムは静かなので子どもの泣き声が目立ってしまうこともあるのですが、フランスはスタジアム自体がかなり盛り上がっているので、子どもが泣こうが騒ごうがまったく気にならないようです。子どもたちがギャーとかキィーとか声をあげようが「そうだそうだ!」って一緒に騒いでくれる感じですね(笑)。周りの人たち、特におじさんたちが優しく手を振ってくれたり、変顔で笑わせたりしてくれて、すごく温かい場所だなと思います。
「パンで娘の歯が…」「トイレに便座がない!」
――子どもの泣き声がかき消されるほどの盛り上がりなのですね、ちなみにフランスの会場では、日本のようにスタジアムフードも販売されているのでしょうか?
ローラ ありますが、日本のほうが充実しています! サンドイッチが多いのですが、とにかくパンが大きくて硬いんです。子どもたちにホットドッグやチキンサンドを買ってあげたら、ひとりでは食べきれないほど巨大なハード系のパンに具が挟まれていて。長女はちょうど歯がグラグラしていたので、一口食べるたびに“前歯チェック”をしていました(笑)。そんなに美味しいわけでもないそうなので、次からは自分でサンドイッチを作って持っていこうかなと……。
――なるほど……。スタジアム運営の面で日本大会との違いを感じることもありますか?