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ボクシングPRESSBACK NUMBER
25歳で突然「ボクシング界の上戸彩」に…「最初は恥ずかしかった」宮尾綾香40歳が明かす、その後の15年間「一時期は本人に寄せようと…」
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byTakuya Sugiyama
posted2023/09/23 11:05
15年前、長野から上京した25歳は突然「ボクシング界の上戸彩」と名付けられ、注目を集める。当時、本人が感じていたのは…
「初めてあれが出たのは、まだ4回戦の頃。最初はちょっと歯がゆくて、恥ずかしかったです。記事を見た地元の友達からはすぐに連絡があり、『どの辺が似ているの?』、『誰が上戸彩なの?』とイジられました。『自分で言ったわけじゃないから』と返しましたけど(笑)。(名付け親の)大橋会長は、メディアを使った売り出し方がうまかったと思います。私一人では、あそこまでのプロモーションはできなかったですから」
見た目が注目されるのは嫌というのは「贅沢な話」
元来、宮尾は目立ちたがり屋。メディアの取材を疎ましく思ったことはない。たとえタレントのような取り上げられ方であっても、故郷の友人や両親たちが喜んでくれるのはうれしかった。注目度を高めてくれた大橋会長の期待に応え、プロボクサーとして成功を収めるためにも無我夢中で練習に取り組んだ。
「話題先行と言われないように実力をつけようって。それ(見た目)だけで取り上げてもらうのが嫌だと断るのは、私の中では贅沢な話でした。あの頃、女子プロボクシングは今以上にマイナー競技でしたから。少しでもメディアに露出し、個人だけではなく、競技自体にも興味を持ってもらい、応援してくれる人たちが増えればいいなと思っていました」
大橋会長からのアドバイス
ボクシングを始めた当初は自身が強くなり、リングで結果を残せば、応援してくれるファンも自然に増えていくものだと信じていた。それが大橋会長と出会い、考え方が少しずつ変わっていった。プロボクサーはストイックなアスリートでありながらも、ときにはファンを魅了するエンターテイナーな一面も必要である。大橋会長の言葉は、今でもよく覚えている。