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大谷翔平「3つの手術」の選択肢とは? スポーツ整形外科の“名医”が断言「トミー・ジョン手術を採用すると思う」納得の理由
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byJIJI PRESS
posted2023/09/12 17:14
現在8試合連続での欠場となっている大谷翔平。今後の「選択肢」を医師に聞いた
山崎医師の判断は「トミー・ジョン手術を採用すると思う」
山崎先生は先述の要点『A』『B』『C』『D』のすべてを考慮した上で次のように解説した。
「私の考えとしては、一番重要なのは、詳細な診断・評価で、現在彼の靭帯機能がどの程度失われているか、すなわち外反動揺性(内側不安定性)の定量的評価で、同じ外反ストレスを加え、健側と比較することが必須と考えます。患健差が2-3mm以上あるようなら靭帯機能不全が存在することとなり手術が必要で、私の場合、インターナル・ブレースは前記した欠点より使用経験がないため、トミー・ジョン手術(再再建術)を採用すると思います」
最も多くの成功範例を残し、信頼がおけるのが「トミー・ジョン手術」。人工靭帯を使用する「インターナル・ブレース」も「ハイブリッド手術」も信頼に足らず、長く二刀流を継続するための範例がないということだろう。
山崎医師が明かす、驚きのデータ
最後に山崎先生はこんなデータもあると教えてくれた。
「米国の論文では、メジャーリーグの投手でトミー・ジョン手術を受けた選手の約10%が、再再建術を初回手術後平均で5年程で受けているデータがあります。術後の成績は初回手術後の80-90%より劣り、50%弱となっています」
果たして、大谷翔平はどのような判断を下すのか。決断と発表のときが近づいている。