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大谷翔平の“番記者”にエンゼルス広報が近づいて…回収された「打順用紙」、大谷“欠場の日”に何が? TV中継には映らなかった“現場のリアル”
posted2023/09/10 17:02
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph by
JIJI PRESS
右肘の靭帯損傷が発覚し、トミー・ジョン手術の有無など今後についての情報が待たれる大谷翔平。現在、アナハイムにはこれまでにない“異様な雰囲気”が漂っている。現地で取材を続ける斎藤庸裕氏が、大谷が急遽欠場した日の取材の裏側を明かす。
9月4日のオリオールズ戦に向けて、記者席で仕事をしているとエンゼルスの球団広報がやってきた。試合開始の1時間半ほど前だっただろうか。各記者の机に配布されていたラインアップ(打順)用紙を回収する――。実際にそう言われた訳ではなく、無言ではあったが、アイコンタクトとジェスチャーで分かった。「大谷がスクラッチ(先発メンバーから外れる)?」と、その広報に尋ねてみたが「分からない」との返答だった。
現場には既に“外れるかも”との見立てがあった
毎試合、記者席にはラインアップ用紙が配布される。メンバー変更がない限り、回収はされない。球団広報がやってきてから約20~30分後、「2番DH」で出場予定だった大谷翔平投手(29)は先発メンバーから外れた。
午後5時27分、球団から「右脇腹の張り」と発表された。各メディアが、X(旧ツイッター)や記事で速報を打った。突然で驚いた、というよりは、どちらかと言えば“やはり”といった印象だった。というのも現場には既に“外れるかも”との見立てがあったからだ。
当日の試合前、大谷は珍しく、屋外フリー打撃で調整を行っていた。スイングを止めた際に体勢を崩し、アクシデントは起きた。くしくも、ほぼ同時刻に大谷の代理人でCAAスポーツのネズ・バレロ氏が大谷の右肘の現状と今後の見通しについて、メディアに向けて熱弁を振るっていた。フィールド近くのVIP席に隣接する室内で前向きな展望を示していた最中、大谷は脇腹を痛めてしまった。