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「ドイツはサッカーのやり方を忘れてしまったのか？」日本戦惨敗、ドイツ“強国のプライド”が崩れ落ちた日「我々にはクオリティがない…」＜監督は電撃解任＞
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph bydpa/JIJI PRESS
posted2023/09/11 17:03
ピッチに座り込むサネ。翌日、フリック監督は解任。衝撃的敗戦のその日、スタジアムで何が起き、何が語られていたのか
「ドイツはサッカーのやり方を忘れてしまったのか？」
そういわれても仕方がない。「これまでとは違う代表の姿を見せる」（フリック）と語っていたのに、リアクションを示すどころか、まるで良くない試合をしてしまったのだから。後半に入って最初にゴール枠をとらえたシュートがアディショナルタイムにGK正面へ力弱く飛んだヘディングシュート。ヨシュア・キミッヒのクロスに頭で合わせたのが空中戦に強いわけではないイルカイ・ギュンドアンだったというのが象徴的だ。
日本はすべてにおいて僕たちを上回っていた
この2連戦を前に新キャプテンに就任したギュンドアンは日本戦後に明確な言葉で語っていた。
「いま僕たちは十分にいいサッカーができていないというのは明らかだ。自分達の現在位置よりも自分達のクオリティはいいと思ってしまっている。日本はすべての分野において僕たちを上回っていた」
キミッヒも顔をこわばらせながら試合を振り返る。
「W杯以降ドイツ代表としていい試合が一つもない。不安定さの大きさ、自信のなさがある。ずっとドイツ代表にはクオリティがあるということばかり話してきたけど、これだけ長い間ピッチ上でクオリティを発揮することができなかったら、本当に僕らにはトップクオリティがあるのかというのを自問自答しなければならない。もしあったのだったら、ここまで多くの悪い試合が続いたりはしないはずだ。きれいなプレーをするかどうかではなくて、いい結果を手にするために全力でプレーしなければならない」
ベテラン、ミュラーの悲しく響く一言
14年W杯優勝メンバーで唯一現役代表選手のトーマス・ミュラーも似たようなニュアンスの発言をしていた。
