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日本女子陸上界「最古の日本記録」を破るには…走高跳日本王者・高橋渚23歳が語る“自分の伸び代”「モデル体型→混成競技のフィジカルに」
posted2023/09/13 11:02
text by
山崎ダイDai Yamazaki
photograph by
AFLO/Takuya Sugiyama
今年6月の陸上日本選手権・女子走高跳で2連覇を達成した高橋渚(23歳)。昨季から国内の主要大会では日本人にはほぼ負けナシで、7月のアジア大会でも4位に食い込むなど、名実ともに同種目の第一人者として日々、トレーニングを積んでいる。
日本の女子走高跳界をけん引する存在である彼女だが、今夏はひょんなことからSNSなどで大きな話題を呼ぶことになる。7月にフジテレビ系列で放送された『27時間テレビ』内の企画「さんまのラブメイト」で、明石家さんまの“注目”として名前が挙がったのだ。
一方で、いま日本の女子走高跳という競技は停滞期にある。日本記録はいまから20年以上前の2001年に記録された1m96cmのままであり、女子陸上競技の主要種目では日本最古の記録となっている。そんな競技の日本王者はいま、どこを目指しているのだろうか?《全2回のインタビュー後編/前編からつづく》
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「やっぱり同年代の選手が記録を出して世界大会に出ているのを見ると、シンプルに悔しいですね」
高橋はそう、口惜しそうに語る。
いま、日本の陸上女子フィールド界は記録ラッシュと言っていい。
25歳の北口榛花がやり投げで獲得したブダペスト世界陸上の金メダルは記憶に新しいし、同じ跳躍競技の走幅跳と三段跳、棒高跳でも今季、日本記録が更新された。気づけば走高跳は女子陸上競技の主要種目の中では最古の日本記録になってしまっている。
今は「記録を出そう」と焦らないことが大事
「私の自己ベストが1m85cmなんですが、88cmまでは今でも調子が合えば跳べると思います。とはいえ、まだ1m96cmという日本記録までは開きがある。
とにかくコーチからは『いまは他の競技で記録を出す選手がいても焦るな』ということを、口を酸っぱくして言われていますね。女子のフィールド競技の場合、だいたい27歳~28歳くらいが競技力のピークと言われています。だからそのころにしっかり記録を伸ばせるようにいまは地力をつける時期だと」