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「大谷翔平の試合は観に行っていない」“ネクストモンスター”中谷潤人の超ストイックLA合宿…防衛戦へ井上尚弥の“仮想フルトン役”ともスパー
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byDaisuke Sugiura
posted2023/09/08 11:00
9月18日の防衛戦に向けてLA合宿を行ったWBO世界スーパーフライ級王者・中谷潤人(25歳)
ジムワーク以外の日々のスケジュールを話しておくと、ロードワークは夕方に行っているので、朝は7時半くらいに起きます。朝食を食べ、ジムに行くのはだいたい9時半頃。昼くらいに練習を終えると、昼ごはんを食べて、少し休んで、夕方5時くらいから走ります。ロードワークは約10キロですね。アメリカではダッシュとか、坂道とかはあまりやらず、長い距離を50分くらいかけてゆっくり走ります。そこで練習を締めくくり、夜は10、11時くらいにはもう寝ていました。
食事は朝はあまり食べず、食べてもフルーツとか軽いもの。しっかり食べるのは昼、晩の2食です。マネージャーでもある弟の龍人が合宿につきっきりで帯同し、食事の用意もしてくれました。ロードワークも一緒に走ってくれて、僕はそれほど速くないというのもあるんですが、弟は長距離でも普通についてきてくれますよ。
「球場には一度も観に行ったことはない」
以前、ロサンゼルス滞在時はルディの家に住んでいましたが、今回はダウンタウンに部屋を借りていました。練習がハードなので、空いた時間は寝ることが多かったです。たまに親友のトニーと一緒にモールに行ったり、ビーチに行ったり、出かけたりはしました。トニーは床屋の仕事もやっているので、髪の毛を切ってもらったり(笑)。
僕はもともと出歩く方ではなく、部屋でゆっくりするのが好きなんです。LAにはドジャース、エンゼルスとMLBのチームがありますけど、もう何度も来ているのに一度も球場に観に行ったことはないんですよ。15歳くらいのとき、NBAのレイカーズの試合は一度つれて行ってもらったことがあるんですけど、それくらいですね。
趣味は釣りと映画鑑賞ですが、釣りは試合前はやらないので、ロサンジェルスでも弟と一緒に映画はたくさん見ました。最近見た中で良かったのは、『5パーセントの奇跡~嘘から始まる素敵な人生~』。通常の人の5%しか目が見えないホテルマンの話なんですけど、あれは面白かったですね。邦画も見ますけど、やはり海外の映画を見る機会の方がずっと多かったと思います。
試合前は気が張っているので、心が休まる瞬間というとやっぱり試合が終わった後の数週間です。お世話になった人にご挨拶に行かせてもらったりとか、家族で旅行に行ったりとか。試合の日に向けて厳しいトレーニングを続け、それを終えたあとの束の間のオフは気持ちが安らぎます。前回の試合の際は家族がラスベガスに来てくれたので、そのまま何日か滞在してゆっくりできました。今回も戦いを終えたら、家族でまたどこかに旅行できたらいいですね。
★後編ではスーパーフライ級での減量、「井上尚弥との対戦」への率直な思いを明かしています。