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「大谷翔平の試合は観に行っていない」“ネクストモンスター”中谷潤人の超ストイックLA合宿…防衛戦へ井上尚弥の“仮想フルトン役”ともスパー

posted2023/09/08 11:00

 
「大谷翔平の試合は観に行っていない」“ネクストモンスター”中谷潤人の超ストイックLA合宿…防衛戦へ井上尚弥の“仮想フルトン役”ともスパー<Number Web> photograph by Daisuke Sugiura

9月18日の防衛戦に向けてLA合宿を行ったWBO世界スーパーフライ級王者・中谷潤人(25歳)

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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Daisuke Sugiura

 2階級制覇を達成した“ネクストモンスター”、WBO世界スーパーフライ級王者・中谷潤人(M.T)の防衛戦が間近に迫っている。25戦全勝(19KO)の中谷は9月18日、有明アリーナでアルヒ・コルテス(メキシコ)と対戦する。5月、ラスベガスでアンドルー・モロニー(豪州)を圧倒的な12回KOで下した25歳にとって、そこで勝ち取った王座の初防衛戦になる。

 25勝(10KO)3敗2分の戦績を積み重ねてきたコルテスは昨年9月、当時WBC同級フランチャイズ王者だったメキシコの英雄フアン・フランシスコ・エストラーダに善戦して名を上げた。それでも今では軽量級のスター候補と称されるようになった中谷がやはり下馬評では断然優位であり、内容が問われる一戦と言えよう。

 8月下旬、中谷がキャンプを張るロサンゼルスを訪ねた。10代半ばからアメリカでの修行を繰り返してきたサウスポーは、今回も当地でルディ・ヘルナンデス・トレーナー、岡辺大介トレーナーの指導を受けている。

 約1カ月半の合宿で合計236ラウンドのスパーリングをこなしたという中谷は充実感たっぷり。コルテスとの防衛戦、合宿メニュー、余暇の過ごし方、ベストの階級、近未来の目標、井上尚弥(大橋)との対戦の可能性など、ロングインタビューでの話題は多岐に及んだ。以前と比べて取材にも慣れた2階級王者の言葉からは、さらに楽しみな未来への期待感が溢れ出てくるかのようだった。

 注・中谷はアメリカでの日程を終え、9月上旬に帰国している。今回のインタビューはロサンゼルス滞在中に収録されたもの。以下、中谷の1人語り〈全2回の1回目/後編へ続く〉。

「あんまりビデオは見ないんですよ」

 もう間近に迫った防衛戦に向け、ロサンゼルスではいい調整ができてきたと思います。次の相手のコルテスはけっこうアグレッシブで、好戦的なボクサー。メキシカン独特の手をしっかりと前に出して構える選手で、僕との試合でも勢いよく攻めてくると思っています。付き合って変なパンチをもらったりしないように、しっかりと距離、ポジショニングを測り、組み立てていきたいです。

 コルテスはエストラーダに善戦した選手で、その映像は見たんですが、実はその1戦しか見ていません。あまりビデオは見ないんですよ。映像でイメージをし過ぎてしまうと、それ以外のことが起きた時にあたふたしちゃいますよね。だからあまりイメージをつけず、相手と対峙してどう感じるか次第で対応できる自分を作っておきたいんです。

 僕のトレーナーが見てくれているので、映像を見なくても不安になったりはしません。「こんなパンチが入るから」といった指示を受け、実戦練習も進めています。試合までにはそれなりの練習ができているという思いはありますし、今回もまた自信を持ってリングに立てると思っています。

【次ページ】 「試合見たよ、って声をかけられた」

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