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“バウアーが慰めた1回10失点”どん底の立浪中日だが…「張本勲に“1試合当たり”で肉薄」大島洋平2000本安打はアッパレ! 次の達成候補は?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2023/08/29 11:00
2000本安打を達成した大島洋平。大学・社会人経由での達成は立派の一言だ
〈中日ひと筋で2000本安打を達成した打者〉
2480安打 立浪和義:内野手(1988-2009)
2274安打 高木守道:内野手(1960-1980)
2062安打 谷沢健一:内野手(1970-1986)
2045安打 荒木雅博:内野手(1996-2018)
2002安打 大島洋平:外野手(2010-)
中日の外野手としては大島が初めて。なお荒木雅博と「アライバコンビ」を組み、一世を風靡した井端弘和は、中日で1807安打、巨人で105安打を記録したが、惜しくも2000本の大台に乗ることはできなかった。左打者は立浪、谷沢に続いて3人目。
安打数1位の立浪、中日史上初の2000本安打を記録した高木、そして荒木は二塁手。中日は伝統的に二塁手にスター選手が多いチームと言える。他球団で2000本を記録した二塁手(二塁手としての試合出場が最も多い選手)はロッテ、西武で20871安打を打った山崎裕之(1965-1984)しかいないから、かなり特徴的なことだと言えよう。
大学→社会人経由で達成は和田一浩以来4人目
大島洋平は地元の愛知県名古屋市出身、享栄高、駒沢大、日本生命を経て2010年ドラフト5位で中日に入団した。デビューした2010年の11月には25歳を迎えている。大学、社会人を経てプロ入りして2000本を記録したのは2097安打の古田敦也(ヤクルト:1990-2007)、2133安打の宮本慎也(ヤクルト:1995-2013)、2050安打の和田一浩(西武→中日:1997-2015)に続き史上4人目となった。
大島は30歳を迎えた2016年のシーズン以降に1219安打している。デビューは遅かったが、30歳を過ぎても衰えを見せることなく活躍してきた。大島の打撃タイトルは、盗塁王1回(32盗塁:2012年)、最多安打2回(174安打:2019年、146安打:2020年)。当代屈指の「安打製造機」だ。
以下は2000本を記録した55人の選手の「1試合当たりの安打数」5傑。
1.19:川上哲治(2351安打/1979試合)
1.16:ラミレス(2017安打/1744試合)
1.13:長嶋茂雄(2471安打/2186試合)
1.121:張本勲(3085安打/2752試合)
1.120:大島洋平(2002安打/1788試合)
2000本安打を記録しながら2000試合に到達しなかった選手は、現役の大島を除けば、ラミレス(ヤクルト、巨人、DeNA:2017安打/1744試合)、松井稼頭央(西武、楽天:2090安打/1913試合)、野村謙二郎(広島:2020安打/1927試合)、谷沢健一(中日:2062安打/1931試合)、和田一浩(西武、中日:2050安打/1968試合)、川上哲治(巨人: 2351安打/1979試合)、小笠原道大(日本ハム、巨人、中日:2120安打/1992試合)と7人いる。
大島に次いで中日で通算安打数が多いのは…
しかし大島は37歳の今シーズンも不動のレギュラーであり、史上56人が記録している2000試合も達成するのではないか。