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「29試合連続安打」の中日・岡林勇希は“双子で右投げ左利き”…MAX153kmの剛腕をヒットメーカーに導いた“二重三重の奇跡”とは
posted2023/08/23 17:00
text by
渋谷真Makoto Shibutani
photograph by
Hideki Sugiyama
7月11日に始まった中日・岡林勇希の連続試合安打は、オールスターブレークをはさんで1カ月以上たった8月19日、ついに止まった。高橋慶彦(広島)の33試合には届かなかったが、西沢道夫の球団記録(25試合)を実に74年ぶりに更新する歴代9位タイの29試合。まだ21歳の岡林は、上位に名を連ねるヒットメーカーたちの中でもちろん最年少である。
球界トップレベルの“4ツール”
これが若さゆえの勢いや偶然だけで生み出された数字でないことは、すでに多くの野球ファンが知っている。昨季は最多安打のタイトルを獲得。実質2年目となる今季も、セ・リーグトップの135安打を打っている(8月22日時点)。
卓越したコンタクト力、内野安打を量産するチームでナンバーワンの脚力、すでに昨季もゴールデングラブ賞に選ばれたセンターとしての守備力、高校時代には最速153kmを計測した強肩。MLBでプレーヤーの理想形とされる5ツールのうち、パワー(長打力)以外の4ツールを岡林は球界トップレベルで保有している。