酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ノーヒットノーランはさせたいが「投手の健康+チームの勝利」優先? 石川柊太、佐々木朗希、柳裕也…今ドキの“大記録と監督の葛藤”
posted2023/08/22 11:06
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
8月18日、ソフトバンクの石川柊太が西武戦でノーヒットノーランを記録した。
史上99回目、パ・リーグでは34回目、88年目のシーズンを迎えるNPBの歴史でもめったにない大記録だ(他にCSで巨人の菅野智之が1回記録)。
ここ5年間のノーノー達成者を見てみると
ホークスとしては1943年の別所昭(南海時代)、2019年の千賀滉大、2022年の東浜巨に続いて4人目、石川は創価大から2013年育成ドラフト1位で入団したが、育成ドラフト出身者ではチームの先輩、2019年の千賀以来史上2人目だ。
〈2018年以降のノーヒットノーラン達成者〉
・2018年 2回
7.27山口俊(巨)中日戦 9回103球0安1四死球 5振〇
10.14菅野智之(巨)ヤクルト戦 9回113球0安1球 7振〇※
・2019年 2回
9.6千賀滉大(SB)ロッテ戦 9回133球0安4球 12振〇
9.14大野雄大(中)阪神戦 9回126球0安1球 9振〇
・2020年 1回
8.15小川泰弘(ヤ)DeNA戦 9回135球0安3球 10振〇
・2021年 なし
・2022年 5回
4.10佐々木朗希(ロ)オリックス戦9回 105球0安0球 19振〇☆
5.11東浜巨(SB)西武戦 9回97球0安2球 6振〇
6.7今永昇太(De)日ハム戦 9回117球0安1球 9振〇
6.18山本由伸(オ)西武戦 9回102球0安1球 9振〇
8.27ポンセ(日)ソフトバンク戦 9回113球0安2球 6振〇
・2023年 1回
8.18石川柊太(SB)西武戦 9回127球0安4球 8振〇
※マークはCSで記録、☆は完全試合、○マークは勝利投手。
昨年は「ノーヒットノーランの特異年」とでもいうべき年で、ロッテ佐々木朗希の完全試合を含め5回も記録された。しかし2021年は0回、そして2018年以前は、2014年まで遡らないとノーヒットノーランの記録はない。
2022年は例外として、筆者は今後、ノーヒットノーランはかなり達成が厳しくなるのではないかと見ている。近年、好投しながらも無安打のままでマウンドを降りる先発投手が急増しているのだ。
ここ10年、ノーノーが狙えそうな状態で降板した投手は?
2013年以降、先発して5イニング以上無安打に抑えながら、ノーヒットノーランを達成せずに降板した投手と回数を以下に示す。