酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ノーヒットノーランはさせたいが「投手の健康+チームの勝利」優先? 石川柊太、佐々木朗希、柳裕也…今ドキの“大記録と監督の葛藤”
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2023/08/22 11:06
ノーヒットノーランを達成したソフトバンクの石川柊太
・2013年 なし
・2014年 2回
7.15辛島航(楽)オリックス戦 7回109球0安5球 4振○
5.31金子千尋(オ)巨人戦 9回144球0安4球 11振
・2015年 1回
7.11バリントン(オ)楽天戦 5.0回68球0安2球 6振○
・2016年 なし
・2017年 2回
6.14山口俊(巨)ソフトバンク戦 6回102球0安4球 8振○
9.23石田健大(De)中日戦 6回95球0安3球 7振○
・2018年 1回
7.21杉浦稔大(日)ソフトバンク戦 5回72球0安1球 5振○
・2019年 2回
4.23杉浦稔大(日)楽天戦 5回65球0安0球 9振
7.23金子弌大(日)オリックス戦 6回92球0安2球 4振○
・2020年 2回
7.1鈴木優(オ)西武戦 5回73球0安2球 7振○
9.3加藤貴之(日)楽天戦 5回51球0安1球 1振○
・2021年 5回
4.13サンチェス(巨)中日戦 7.1回109球0安5球 8振○
5.19西純矢(神)ヤクルト戦 5回87球0安4球 1振○
6.11大道温貴(広)オリックス戦 5回84球0安2球 5振
8.15スチュワート・ジュニア(SB)日本ハム戦 5回80球0安1球 9振
10.7菅野智之(巨)ヤクルト戦 6回86球0安2球 5振
・2022年 4回
4.17佐々木朗希(ロ)日ハム戦 8回102球0安0球 14振
4.19スミス(西)ロッテ戦 7回96球0安1球 5振○
5.11岡野祐一郎(中)ヤクルト戦 5回59球0安2球 4振○
9.8メネズ(日)ロッテ戦 5回73球0安3球 5振
・2023年 7回
4.12村上頌樹(神)巨人戦 7回84球0安0球 5振
4.16エンス(西)日ハム戦 6回91球0安2球 8振○
4.28今井達也(西)楽天戦 6回116球0安7球 6振○
5.4北山亘基(日)西武戦 6回75球0安2球 5振○
5.5佐々木朗希(ロ)ソフトバンク戦 5回89球0安1球 12振
6.4アンダーソン(広)ソフトバンク戦 5回86球0安3球 5振
8.13柳裕也(中)広島戦 9回121球0安3球 5振
2020年まではあっても年間2回前後だったノーヒットで降板する投手が、2021年以降急増している。
阪神・村上の“ノーノーで初勝利未遂”が話題になったが
かつてはノーヒットのままで先発投手が降板すると、比較的大きなニュースになったものだが、最近、あまり目にしなくなった。
今や阪神の新エースと言ってもいい村上頌樹は、今季初登板は救援でホールドを記録。続く4月12日の初先発では7回を無安打(完全試合ペース)で投げ切り降板した。プロ初勝利がノーヒットノーランという可能性もあったわけで、この時はかなり注目されたが――今年は村上以降、計6回もノーヒットノーランのままでの降板があったのだ。
5、6回で降板した中には先発投手の目安とされる1イニング15球を大きくオーバーしている例がある。かつてはこうしたケースでも安打を打たれるまでは投げさせることが多かったが、今は“完投はおぼつかない”として早手回しに降板させるようになった。
柳が達成した史上3人目のケースとは
しかし、それだけではない。このペースでいけばノーヒットノーランも十分可能と思えるような球数でも降板させることがある。