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「小4で腹筋が割れていました」世界を目指した元ヨット少女が、なぜ高校野球の顔に? ヒロド歩美アナ(31歳)の運命を変えた阪神マートン取材
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byYuki Suenaga
posted2023/08/15 11:03
ABCテレビ入社当初は野球の知識は全くなかったというヒロド歩美アナ。今や、インスタのアイコンにも野球ボールが写るほど
「私が乗っていたのはOP(オプティミスト)と呼ばれる1人乗りのヨット。身近に日本代表を目指している男の子がいまして、その子が大会でエクアドルに行ったことがありました。その様子の写真を見せてもらって、すごいなと……私も(世界に)行きたい!って練習するようになりました」
OPには男女の区分けが存在しなかったため、体重が軽いヒロドは「泣きながらおにぎりを食べていた」という時期もあったという。たが、実際に小さなヨットで大きな海に出ると、その独特の魅力に徐々に引き込まれていく。
「ヨットは“無”になれるところがいいですね。マリンスポーツは“自然と対話できる”と言いますが、確かにそうだなと思います。あとは、ゴールする方法が何万通りもあることが楽しい。ジグザグに進むなど細かいルールはあったのですが、マニュアルはありませんから。常に海風に逆らっていないといけないので、小4の時点で腹筋が割れていましたよ。早い段階(小6)でジュニアチャンピオンになれた時は、一番になれるチャンスはどこにでもあるんだ!とモチベーションが上がっていました」
中学時代はバレーボール部
「競技人口が少なかったので…」と謙遜するも、なんと全日本選手権出場の枠を獲得するまでに上達。しかし、当時通っていた小林聖心女子学院中学校で公欠が認められなかったことを契機に競技を断念した。
「(親のススメがきっかけで始めて)何となく辞める選択肢はないんだろうと思っていた」というヨットに踏ん切りをつけると、次にヒロドが選んだのはバレーボールだった。
中2から部活に所属し、高3までプレー。背の順で前から2番目だった身長は中3時には10センチも伸びて、ポジションもセッターからミドルブロッカーに。「幅広く経験した」と懐かしそうにスポーツ少女時代を振り返った。