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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「ヨシダは特別な選手になる」米記者もホレる吉田正尚の“ユニークな打撃”と“愛され力”「腕は短いが無駄がない。アルトゥーべと共通点が多い」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2023/07/31 11:03
満塁ホームランを放ち、J・ターナーとポーズを決める吉田正尚(7月16日カブス戦)。レッドソックスの番記者は「特別な選手になる」と期待を寄せる
吉田と話すには通訳を通さなければいけないこともあって、私はまだ彼のことを知り得ているとは言えません。ただ、はっきり言えるのは、吉田はチームメイトに愛されているということ。レッドソックスの誰もが彼がチーム内にいることを快く感じています。ベースボールに対して情熱的で、愛情に溢れ、向上心に満ちていることを考えれば、周囲にそうやって好まれるのは当然なのでしょう。
フィールド外で見たことで私が感銘を受けたのは、昨年12月、入団会見で吉田が英語で自己紹介をしたことです。とても勇気があるなと思いました。言語、カルチャーの面でもアメリカに溶け込んでいかなければいけないとその時点で気づいていたのでしょうし、覚悟のようなものを感じました。
たとえば私が日本に行ったとして、同じように日本語で挨拶ができたかどうか? それはかなり疑わしいと思います(笑)。私も吉田に“アリガトウゴザイマス”とか限られた日本語で話しかけていますが、もっと多くのフレーズを覚えて彼と話したいものです(笑)。
“過渡期”のチームが結んだ5年契約
今のレッドソックスは過渡期におり、多くの選手と短期契約を結び、長期視野でチームに貢献できる選手を見極めようとしている最中です。その中で吉田は長期契約を与えられた数少ない選手。チームが本気で優勝を目指す位置に戻った時、活躍して欲しいと考えられている主力メンバーの1人です。
これまでの吉田はその期待通り、好調時にはチームを背負って立てるだけの働きをしており、レッドソックスにとって特別な選手の1人になっていける可能性があると思います。そのためには、これまでと同等かそれ以上のパワーを継続的に示していく必要があるのでしょう。ただ、出塁、コンタクトのスキル、二塁打はコンスタントに打てるだけの打力を示しているのですから、先行きは明るいと思います。
スターと呼ばれる地位まで辿り着くかはわかりませんが、現在のチームメイトでもあるジャスティン・ターナーのように、どの打順で起用しても安定した形で貢献してくれる好選手になっていくと私は見ています。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。