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3度のサイ・ヤング賞にノーノー2回…ヤンチャな最強右腕シャーザー(38歳)が語る”おかしな投球フォーム”の秘密「理にかなっている」
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byNanae Suzuki
posted2023/07/10 11:00
Numberの独占取材に応じてくれたシャーザー。3度サイ・ヤング賞を受賞している
シャーザーは初球ストライク率が高い(今季は13試合登板時点で72.8%)ため、打者にはストライクだった1球目の軌道が残像として残る。シャーザーと対戦する打者には(ああ、つい振ってしまった)(見逃さなきゃよかった)というような、何とも言えない表情で打席を去る選手が多い。
それはまるで、マジシャンの手品に引っかかっているようにもみえる。
「マジシャンだなんて初めて言われた」
ちょっと照れ笑いをしながら、配球の心得について教えてくれた。
「登板前は打者一人一人に対して配球をしっかり組み立ててからマウンドに立つ。試合が始まったら、打者と審判の反応に意識を集中する。バットの振り方や見逃し方、ゾーンのどこに決まったかを確認したり、審判の顔を見つめたり。審判の表情も大いに参考になる。そういった反応と自分の直感で配球を調整していく。打たれたら、なぜ打たれたのか分析し、正しい配球を見つけ出していく。その作業の繰り返しだ」
2015年に2度ノーヒットノーランを達成
試合中は自分が投げるボールだけでなく、打者や審判からの情報収集に集中していることがよく分かる言葉だ。
「その能力は常にマウンドで感覚を磨き、養っている。個人的にはスピン率などのデータはあまり気にせず、4分割したストライクゾーンに何をどう投げるか、それだけに集中している」
2015年に2度ノーヒットノーランを達成し、'16年にはメジャータイ記録となる1試合20奪三振を記録したのは、その類稀な能力を発揮した結果だ。
3度受賞したサイ・ヤング賞には、それぞれ異なる思いを持つ。
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